トウダイセイノジレンマ
2023年6月14日発売
定価:924円(税込み)
ISBN 978-4-334-04667-5
光文社新書
判型:新書判ソフト
東大生のジレンマエリートと最高学府の変容
東大と東大生が転換期を迎えている。花形だった官僚志望は激減。就職先としても、外資系コンサルやITが人気を集める。加えて目を引くのが、この10年で倍増した休学者と、起業する卒業生の急増だろう。定型化された「エリート」志向に疑問を抱く東大生たちは、進んでそのレールから外れるようになっている。周囲や社会の期待を背負うからこそのジレンマ。その苦悩に目を向けることで、「失われた30年」来の日本社会に通底する不調の構造も見えてくる。休学・起業の当事者である東大生や卒業生はもちろん、実情をよく知る教授陣へのインタビューも収録。東大の激変と、その背後で進行する社会の変容を、現場の声をもとに多角的に分析する。
目次
はじめに
序 章 変わる東大生
第1章 休学する東大生
第2章 起業する東大生
第3章 東大生のジレンマ
おわりに
著者紹介
中村正史(なかむらまさし)
1958年生まれ、大分県出身。早稲田大学政治経済学部卒業。毎日新聞社を経て朝日新聞社に入社。毎日新聞記者時代から長年にわたって教育・大学問題に携わり、「週刊朝日」記者時代の94 年、受験偏差値と大学神話に代わる新たな大学評価を求めて朝日新聞社刊「大学ランキング」を企画し創刊。2008~15 年に編集長を務めた。「AERA with Kids」「医学部に入る」「月刊 ジュニアエラ」(以上、すべて朝日新聞出版刊)なども創刊した。20年4月から朝日新聞社教育コーディネーター、教育情報紙「朝日新聞EduA」アドバイザー。大学教育、大学改革、高大接続、大学入試、文系・理系の壁、部活と勉強などを主なテーマに取材・執筆している。23年4月からは大学進学を考えるウェブメディア「朝日新聞Thinkキャンパス」の総合監修者も務める。