シンチホウロン
2022年10月19日発売
定価:1,056円(税込み)
ISBN 978-4-334-04634-7
光文社新書
判型:新書判ソフト
新地方論都市と地方の間で考える
我ながらずいぶん大袈裟なタイトルをつけてしまった。読んでいただければすぐに(ほんとうにすぐに)わかると思うが、本書には最新の地方論が書かれているわけでも、これまでの議論をアップデートする学術的な考察が展開されているわけでもない。じゃあなにが書かれているかといえば、なんのことはない。単に「ぼくが新たに自分の目線で書いた地方論」である。自分が新たに論じた、ただそれだけでいいじゃないかと思うのだ。そう、「自分なりの地方論」でいい。「都市か、地方か」の間に広がるそれぞれの都市論や地方論を、本書を手に取った皆さんにも自由に論じてほしい。そんなメッセージをタイトルに込めたつもりだ。
(「はじめに」より)
目次
はじめに
第一章 観光――受け入れる側として捉えるとき
第二章 居場所――「いる」と「やる」の間に生まれるもの
第三章 政治――「強さ」でなく「弱さ」をキーワードとして
第四章 メディア――ローカルを再定義して見えてきたもの
第五章 アート――想像力を持って「出来事化」する
第六章 スポーツ――それは「わたしたちのもの」でもあるのだから
第七章 食――「大量生産」をあえてポジティブに考える
第八章 子育て――「わたし」に吹く風を、もっと大切にできたら
第九章 死――不確実さをおもしろがってみる
第十章 書店――地方に都市をつくるサードプレイス
おわりに
著者紹介
小松理虔(こまつりけん)
1979年、いわき市小名浜生まれ。ローカルアクティビスト。地元の商店街でオルタナティブスペース「UDOK.」を主宰しつつ、食、医療福祉、文化芸術などの分野でさまざまな企画、情報発信に携わる。いわき市の地域包括ケアの取り組み「igoku」でグッドデザイン賞金賞受賞、初の単著『新復興論』(ゲンロン叢書)で第18回大佛次郎論壇賞をそれぞれ受賞。著書に『地方を生きる』(ちくまプリマー新書)、共著に『ただ、そこにいる人たち』(現代書館)など。