ネットデコジンオコエヲキケ
2022年3月17日発売
定価:1,232円(税込み)
ISBN 978-4-334-04598-2
光文社新書
判型:新書判ソフト
ネットで故人の声を聴け死にゆく人々の本音
いわゆる「闘病ブログ」やそれに類するホームページ、日々を綴ったSNSの残された投稿からは、故人が生前に抱いた死に際しての本音が聞こえてくることがある。一歩踏み入れた先には、ごく近い家族ですら聞けなかった、本音が広がっている可能性もある。絶えずファンが”墓参”し追悼が続いているケースや、放置されずに何代にもわたって運営が継続され、守り続けられているサイトもある。
インターネットと「死」をとりまく環境は時代によって大きく変化していく。消えずに残された過去は、生きている私たちの現在と未来をどう方向づけるのか? 故人がインターネットに残した足跡とどう向き合うのが正解なのか? 空間や時間をこえて届いた鮮烈なメッセージに耳を傾ける。
目次
高校2年で死を受け入れた人の声
京大院生が残した剥き出しの思考
安寧を探し求めた先の諦観、そして自殺
大量の吐血の後に吐き出した覚悟のブログ
4代にわたって引き継がれている個人のサイト
死を覚悟した空手家ベーシストの軌跡
41歳で余命を知った医師が残した死への記録
オンラインに生きた人間が刻んだ極限の生き様
2012年9月に凝縮された人生
“肺がんオヤジ”が残した終わらないブログ
糖尿病の怖さを伝える20年前の個人サイト
永久保存を望むサイトは3年で消えた
1万冊の闘病記を集めた男の人生
90歳ブロガーが残した孤独と自由と長寿観
娘を殺された父がブログを綴る理由
著者紹介
古田雄介(ふるたゆうすけ)
ライター・ジャーナリスト。1977年生まれ。名古屋工業大学卒業後に上京し、建設工事現場監督と葬儀社スタッフを経て、2002年に編集プロダクションに入社し現職へ。07年にフリー記者として独立後、インターネットと人の死の向き合い方を考える取材を重ねるようになる。本著の基となった東洋経済オンラインの同名連載は20年7月に開始した。著書に『故人サイト』(社会評論社)、『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『デジタル遺品の探しかた・しまいかた、残しかた+隠しかた』(日本加除出版/伊勢田篤史氏との共著)など。