ブラック職場過ちはなぜ繰り返されるのか?
2015年、電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24歳)が過労によって亡くなったことは記憶に新しい。同社では、1991年にも若手社員が過労死している。過ちは、なぜ繰り返されるのか。日本社会は、21世紀に入って労働者をより冷遇するような状況に進んでいるように見える。非正規雇用の労働者が増え、労働条件の劣悪さに苦しむ事例、裁判に訴えても声が届かない例は数知れない。パワハラを始めとする様々なハラスメントも横行している。なぜ、ブラックな職場はなくならないのか?労働弁護士が、豊富な事例からブラックな職場の問題に横たわる背景を検討しつつ、ホワイトな社会の実現に向けた具体的な解決策を示す。
目次
はじめに
第1章 「ブラック職場」の正体
第2章 「長時間労働」と「やりがい搾取」
第3章 非正規と低賃金
第4章 解雇と復職の困難
第5章 人事権を再考せよ
第6章 労働法の存在理由と問題点
第7章 5つの解決策
第8章 ホワイトな社会に向けて
おわりに
著者紹介
笹山尚人(ささやまなおと)
1970年北海道札幌市生まれ。1994年、中央大学法学部卒業。2000年、弁護士登録。第二東京弁護士会会員。東京法律事務所所属。弁護士登録以来、青年労働者や非正規雇用労働者の権利問題、労働事件や労働運動を中心に扱って活動している。著書に『人が壊れてゆく職場』『それ、パワハラです』(以上、光文社新書)、『労働法はぼくらの味方!』『パワハラに負けない!』(以上、岩波ジュニア新書)、『ブラック企業によろしく』(KADOKAWA/中経出版)、共著に『学校で労働法・労働組合を学ぶ』(きょういくネット)などがある。