モンダイハ、ソウナンデス
2008年2月15日発売
定価:770円(税込み)
ISBN 978-4-334-03442-9
光文社新書
判型:新書判ソフト
問題は、躁なんです正常と異常のあいだ
奇妙な言動、不可解な事件の裏に……
躁を知ると人間理解が深まる
“国民病”の「うつ」と比べて、知られざる「躁」。
その奥深い世界を、初めて解き明かした一般書。
うつがあれば、躁もある。ただし躁が取り沙汰されることは少ない。躁病のみを取り上げた一般書もない。これには理由があって、躁はうつよりも頻度が低い。しかもことに軽躁状態は、見過ごされやすい。明るく元気があってよろしい、というわけである。しかしそれは空疎で騒がしいテレビのバラエティー番組を、明朗で快活さにあふれた楽しいひと時と思い込むようなもので、先入観をあらためる必要があるのではないか。(中略)
本書は、さまざまな角度から躁についてのアプローチを試みている。読み進めることで読者の人間理解がより陰影に富んだものとなれば、著者としては当初の目的を果たせたと安堵することになるだろう。(「はじめに」より)
目次
まえがき
第1章 突進する誇大妄想
第2章 奇人と病人
第3章 躁の風景
第4章 事件の真相
第5章 躁という危うさ
第6章 医学的なこと、その他
いささか長過ぎる「あとがき」
著者紹介
春日武彦(かすがたけひこ)
1951年京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。精神科医。都立中部総合精神保健福祉センター、都立松沢病院、都立墨東病院精神科部長などを経て2007年から東京未来大学教授。著書に『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『顔面考』(紀伊國屋書店)、『本当は不気味で怖ろしい自分探し』(草思社)、『病んだ家族、散乱した室内』(医学書院)、『不幸になりたがる人たち』(文春新書)、『幸福論』(講談社現代新書)など多数。