スティグリッツワセダダイガクコウギロクグローバリゼーションサイコウ
2004年10月15日発売
定価:770円(税込み)
ISBN 978-4-334-03272-2
光文社新書
判型:新書判ソフト
スティグリッツ早稲田大学講義録グローバリゼーション再考
アメリカだけが豊かになるシステム
グローバリゼーション――解決策はどこにあるのか?
「非対称情報下の市場経済」の研究によりノーベル経済学賞を受賞し、現在も精力的に世界政治経済システムに警鐘を鳴らし続けているJ・E・スティグリッツ。早稲田大学で多くの聴衆を魅了した、彼の歯に衣着せぬ情熱的な講義を収録すると共に、その裏側にある理論的背景を丁寧に解説する。グローバリゼーションが人々の反感を呼び、不平等が生じ続けているのはなぜか。IMFが推奨する自由化政策の矛盾と、アメリカ型資本主義の問題点を明らかにし、相互依存が深まる世界における国際機関の改革を訴える。
――新しい政治経済システムを構築するための貴重な論考である。
◎世界経済をダメにしたのは誰だ? IMFの大間違いを斬る!
誰の目からも明らかなように、途上国においては、情報は不完全であり、また、市場は不完備です。「そのような環境では、市場の失敗が非常に起こりやすいので、市場には限界がある」と経済学では訴えていたのです。にもかかわらず、IMFは「市場は完全なのだ」と市場を賛美し、市場原理主義の伝道を続けたのです。本当に奇妙なことが起こったと言わざるをえません。〈講義録より〉