ロンドンキョウラン
2016年1月18日発売
定価:2,310円(税込み)
ISBN 978-4-334-91072-3
フィクション、文芸
判型:四六判ハード
ロンドン狂瀾
外交は正しさだけを追求すればいいってもんじゃないんだよ。
「正義は我らにあったが、国は滅んだ」では元も子もないだろう。
1930年1月、霧深きロンドン。米英仏伊、そして日本の五大海軍国によるロンドン海軍軍縮会議が始まろうとしていた。世界恐慌が吹き荒れ、緊縮財政と戦争回避が叫ばれているなかではあったが、各国それぞれの思惑と輿論を抱え、妥協点は見出すのは容易ではない。日本の全権団長は若槻礼次郎。随員には雑賀潤外務省情報部長がいた。難航を極める交渉の果て、雑賀は起死回生の案を捻り出すが──。
誇り高き外交官の活躍と、統帥権干犯問題の複雑な経緯を、精緻かつ情熱的に描ききった、今こそ読まれるべき傑作。