ドウトクノケイフガク
2009年6月11日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-75185-2
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
道徳の系譜学
ニーチェが目指したのは、たんに道徳的な善と悪の概念を転倒することではなく、西洋文明の根本的な価値観を転倒すること、近代哲学批判だけではなく、学問もまた「一つの形而上学的な信仰に依拠している」として批判することだった。ニーチェがいま、はじめて理解できる決定訳!
著者紹介
フリードリヒ・ニーチェ[1844-1900]
ドイツの哲学者。プロイセンで、プロテスタントの牧師の両親のもとに生まれる。ボン大学神学部に入学するが、古典文献学研究に転向。25歳の若さでバーゼル大学から招聘され、翌年正教授に。ヴァーグナーに心酔し処女作『悲劇の誕生』を刊行したが、その後決裂。西洋哲学の伝統とキリスト教道徳、近代文明を激烈に批判、近代哲学の克服から現代哲学への扉を開いた。晩年は精神錯乱に陥り1900年、55歳で死去。主な著書は本書『善悪の彼岸』『道徳の系譜学』『悲劇の誕生』『人間的な、あまりに人間的な』『ツァトストラかく語りき』ほか。
[訳者]中山元(なかやまげん)
1949年生まれ。哲学者、翻訳家。主著に『思考のトポス』『フーコー入門』『はじめて読むフーコー』『思考の用語辞典』『賢者と羊飼い』ほか。訳書に『自我論集』『エロス論集』『幻想の未来/文化への不満』『人はなぜ戦争をするのか』(以上、フロイト)、『パピエ・マシン(上・下)』(デリダ)、『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』(カント)、『人間不平等起源論』『社会契約論/ジュネーヴ草稿』(共にルソー)、『職業としての政治 職業としての学問』(ウェーバー)、『善悪の彼岸』(ニーチェ)ほか多数。