イナカハイヤラシイ
2022年1月19日発売
定価:990円(税込み)
ISBN 978-4-334-04588-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
田舎はいやらしい地域活性化は本当に必要か?
私も都心で暮らしていた頃は、過疎地域の活性化は正論だと考えていた。過疎地域の発展は地域住民の幸せにつながると信じていた。そうした思い込みのようなものが、過疎地域での暮らしを通して少しずつ変わっていった。なぜなら、そこには変わらないことを望む人びとの姿があった。何一つ変わることなく、どこにも飛び立たず、廃れ、寂れ、衰えていくことを望む人びとの姿があった。地域の活性化が叫ばれている昨今の時局を鑑みて、そのような過疎地域の人たちについての研究を進め、過疎地域の活性化は本当に必要なのか、今一度考えてみたかった。
(第二部・第一章「地域の活性化は本当正しいのか」より)
目次
第一部 過疎地域批判――現状維持という名のゆるやかな後退
【第一章】過疎地域のよくある事例
【第二章】過疎地域のよくある問題
【第三章】過疎地域批判
第二部 過疎地域分析――過疎地域の活性化は本当に必要なのか
【第一章】地域の活性化は本当に正しいのか
【第二章】過疎地域とは何か
【第三章】地域活性化の事例調査
【第四章】過疎地域の現地調査
【第五章】田舎のいやらしさにおける考察
著者紹介
花房尚作(はなふさしょうさく)
1970年生まれ。SHOSAKU事務所代表。1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP® 、宅地建物取引士、管理業務主任者、マンション管理士。演出家として戯曲やシナリオを執筆し、東京都新宿区にて舞台公演を行う。また、米国(ボストン)に二年間在住し、海外四十カ国(百八十都市)を周遊。現在は放送大学大学院にて文化人類学を研究中。さらに外資系損害保険会社やハウスメーカーでの業務経験を活かし、FP相談も行っている。多業種に手を伸ばし、まとまりに欠けるものの、それがウリでもある。著書に『価値観の多様性はなぜ認められないのか』(日本橋出版)がある。