シニイタルヤマイ
2019年9月19日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-04436-7
光文社新書
判型:新書判ソフト
死に至る病あなたを蝕む愛着障害の脅威
死に至る病とは絶望のことである、と、かつて哲学者キルケゴールは書いた。絶望とは、神を信じられないことを意味した。だが今日、死に至る病の正体は、「親の愛さえも信じられない」こと、つまり「愛着障害」にほかならない――。
豊かになったはずの社会で、生きづらさを抱える人が増え続けるのはなぜか。心も身体も苦しく、死んでしまいたいと思う人が増え続けている理由は。現代に突如現れた、治療困難な数々の障害の背景にある、共通の原因とは。「愛されず、愛せなくなった」社会、「世話をしなくなった」社会で、生きる意味を見出す術はあるのか。
ベストセラー『愛着障害』の著者が、渾身の思いを込めて、今、我々が直面する「生存を支える仕組みそのものの危機」を訴える。
目次
はじめに――死に至る病とは、愛着障害のことである
第1章 現代人は、なぜ幸福になれないのか
第2章 「現代の奇病」と、生きづらさの根本原因
第3章 生命をつなぐ仕組み、愛着
第4章 オキシトシン系の異常と、愛着関連障害
第5章 愛着障害の深刻化と、その背景
第6章 「大人の発達障害」にひそむ愛着障害
第7章 「死に至る病」からの回復
おわりに
参考文献
著者紹介
岡田尊司(おかだたかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院にて研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで困難な課題を抱えた若者に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)。日本心理教育センター顧問。著書に『愛着障害』『回避性愛着障害』『愛着障害の克服』(以上、光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『社交不安障害』『発達障害と呼ばないで』(以上、幻冬舎新書)、『母という病』『父という病』(以上、ポプラ新書)、『マインド・コントロール』(文春新書)など多数。小笠原慧のペンネームで小説家としても活動し、『DZ』『風の音が聞こえませんか』(以上、角川文庫)、『あなたの人生、逆転させます』(新潮社)などの作品がある。