社会主義の誤解を解く
社会主義は共産主義、マルクス主義、革命派の思想ではない!!
わが国では、社会主義と聞くと、マルクスの唱えた共産主義、革命派の思
想、労働運動の精神、などといったイメージで理解される。しかし、社会
主義の誕生から、その辿った歴史を見ると、様々な紆余曲折を経ており、
一筋縄で解釈できるものではないことが分かる。実際、かつては社会主義
の唱道者と労働者は乖離し、また、労働運動とも連動していなかった時期
があるのだ。本書は、社会主義思想を生んだ産業革命以降の西欧とロシア、
さらに日本のおける受容と変遷を俯瞰しながら、可能な限り冷静かつ客観
的に、社会主義を捉えなおす試みである。
目次
第1章 社会主義と資本主義
第2章 社会主義思想から社会主義運動へ
第3章 社会主義運動の展開
第4章 ソビエト共産党の時代
第5章 現代の社会主義
著者紹介
薬師院仁志(やくしいんひとし)
一九六一年大阪市生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(教
育社会学)中退。京都大学助手、帝塚山学院大学専任講師、同助教授を経て、
二〇○七年より同大学教授。主な専攻分野は社会学理論、現代社会論、教育
社会学。著書に『英語を学べばバカになる―グローバル思考という妄想』『日本と
フランス 二つの民主主義』(以上、光文社新書)、『禁断の思考―社会学とい
う非常識な世界』『地球温暖化論への挑戦』(以上、八千代出版)、『民主主義
という錯覚』(PHP研究所)がある。