ナダコウ
2010年2月17日発売
定価:836円(税込み)
ISBN 978-4-334-03551-8
光文社新書
判型:新書判ソフト
灘校なぜ「日本一」であり続けるのか
・関西の一名門校にすぎなかった灘校が、なぜ受験界の王者になりえたのか?
・遠藤周作、高橋源一郎、中島らも等の異才を輩出した校風とは?
・「成績2桁を死守せよ」という激しい競争のなか、「落ちこぼれ」たちは、どんな人生を歩んでいるのか?
1学年あたり約200名という少数精鋭主義を考慮すると、東大合格者率や国公立医学部や京大への進学実績において、灘校は「日本一」といえる。
本書は、創立から現在にいたる歴史をひもときながら、数多くのOBにインタヴューをしたり、現役灘高生にアンケート調査を行ったりして、その秘密に迫った。格差社会論の代表的論客が、中・高一貫校やエリート教育の功罪を徹底検証する。
目次
はしがき
第一部 内側から覗いた灘校
第1章 灘校はいかにして名門校となったか
第2章 華麗な人材輩出と異色な卒業生
第3章 現代灘高生気質
第二部 灘校と名門校のこれから
第4章 世界のエリート校、日本の名門校
第5章 中・高一貫教育の将来を予測する
参考文献
あとがき
著者紹介
橘木俊詔(たちばなきとしあき)
1943年、兵庫県生まれ。同志社大学経済学部教授。京都大学名誉教授。灘高校、小樽商科大学、大阪大学大学院を経て、1973年ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。その後、米、仏、英、独の大学・研究所で教育職・研究職を歴任。京都大学大学院経済学研究科教授、経済企画庁客員主任研究官、日本銀行客員研究員、経済産業省ファカルティフェローなどを経て、現職。元日本経済学会会長。主著に格差論争の火付け役となり、エコノミスト賞を受賞した『日本の経済格差』、石橋湛山賞を受賞した『家計からみる日本経済』(ともに岩波新書)のほか、『早稲田と慶応』(講談社現代新書)や『東京大学』(岩波書店)などがあり、教育問題への造詣も深い。