アカイカワ
2019年7月18日発売
定価:1,980円(税込み)
ISBN 978-4-334-91295-6
フィクション、文芸
判型:四六判ソフト
緋い川
明治三十三年、東北地方の山間集落・触別(ふれべつ)村の猩紅(しょうこう)川に、双頭の犬と猫足の猿という異形な動物の死体が流れてくる。その数か月後、バラバラにされた人間の死体も流れてきて、村に不穏な空気が立ち込める。同じころ、東京で新人医師として働く衛藤真道(えとうまみち)は、医科大学時代の恩師・岡に勧められ、触別の鉱山病院へ赴任することに。そこには優秀な医師・殿村がいた。しかし、愛想なく対応され、真道は歓迎されていないのを感じる。貧困と医療の限界に悩みながら、助けられない命と向き合う真道。村に馴染んできたころ、秋祭りの最中、猩紅川にまたしても人間の腕と足が流れてきて――。