ケイザイガク・テクガクソウコウ
2010年6月10日発売
定価：748円（税込み）
ISBN 978-4-334-75206-4
古典新訳文庫
判型：文庫判ソフト
経済学・哲学草稿
急進する資本主義を鋭く分析・批判し、のちの『資本論』へと結実する経済学的思考。そしてヘーゲル批判から発し、労働の意味を肯定的に捉え直そうとする哲学的思考。この二つの思考が交わるところで、青年マルクスは革新的な思想を打ち立てた。
著者紹介
カール・マルクス［1818-1883］
ドイツ（プロイセン）の哲学者・経済学者・革命家。思想家として現代にもっとも影響を与えた。「独仏年誌」誌に「ヘーゲル法哲学批判・序説」「ユダヤ人問題のために」を発表。本書で私有財産の哲学的解明と労働疎外の問題に取り組んだのち、『経済学批判』『資本論』で資本主義の矛盾を鋭く分析、批判。20世紀社会主義の思想的な礎(いしずえ)を築いた。私生活ではつねに窮乏にあえぎ、相次いで幼い娘・息子を亡くすなど不遇をかこったが、親友エンゲルスの経済的援助を受けながら意欲的な執筆活動を続けた。1883年3月没。遺志を受け継いだエンゲルスが『資本論』第2、3巻を編集・刊行した。
［訳者］長谷川宏
1940年島根県生まれ。東京大学文学部哲学科博士課程単位取得退学。哲学者。著書に『高校生のための哲学入門』『新しいヘーゲル』『丸山眞男をどう読むか』『いまこそ読みたい哲学の名著』など。主な訳書に『精神現象学』『歴史哲学講義』『法哲学講義』『美学講義』（ヘーゲル）、『経験と判断』（フッサール）、『芸術の体系』（アラン）などがある。
