タンニショウ
2009年9月8日発売
定価:726円(税込み)
ISBN 978-4-334-75193-7
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
歎異抄
「アミダ如来はんにいただいた信心を、おれのもんやいう顔で取り返そういうのんは、ホンマにアホらしいことやで」。天災や飢饉に見舞われ、戦乱の収まらない鎌倉初期の無常の世にあって、唯円は師が確信した「他力」の真意を庶民に伝えずにいられなかった。親鸞の肉声、ここに蘇る!
著者紹介
親鸞[1173-1262]
浄土真宗の開祖。日野有範の子として京都に生まれる。別名範宴・綽空・善信。比叡山で約20年修業に励んだ後、法然の浄土門に入る。1207年越後に流罪、その後恵(え)信(しん)尼(に)と結婚、子どもをもうける。浄土門の教えを庶民の間に押し広める。1256年には異説で人心を惑わしたとして実子・善鸞を義絶。著書に『教行信証』『浄土文類聚鈔』『愚禿鈔』『唯信抄文意』などがある。
唯円[1222- 1289?]
浄土真宗の僧。常陸泉慶寺の開基。親鸞の直弟子。親鸞没後の1286年頃、『歎異抄』を著したとされる。
[訳者]川村湊
1951年生まれ。文芸評論家。1982~86年、韓国釜山の東亜大学で日本語・日本文学を教える。現在、法政大学国際文化学部教授。著書に『異郷の昭和文学』『戦後文学を問う』『海を渡った日本語』『満洲崩壊』『風を読む 水に書く』『妓生(キーセン)』『補陀落』『闇の摩多羅神』『狼疾正伝』ほか多数。