オソルベキコドモタチ
2007年2月8日発売
定価:682円(税込み)
ISBN 978-4-334-75122-7
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
恐るべき子供たち
〈子供の世界〉が壊れるとき
愛し合う姉弟は破滅へと疾走した
無垢と残酷さの詩的結晶
コクトー自身によるイラスト62点!
儚く、脆く、それゆえに美しい子供たちの世界。悲劇的結末へ向かうしかない姉弟の運命。そのスピード感、昂揚感はそのままに、著者の死生観を見事に描き出した新訳!
物語 禁じられた愛、その飽和点
14歳のポールは、憧れの生徒ダルジュロスの投げた雪玉で負傷し、友人のジェラールに部屋まで送られる。そこはポールと姉エリザベートの「ふたりだけの部屋」だった。そしてダルジュロスにそっくりの少女、アガートの登場。愛するがゆえに傷つけ合う4人の交友が始まった。
著者紹介
著者:ジャン・コクトー [1889-1963]
フランスの詩人・小説家・劇作家・映画作家。パリ近郊の富裕な家に生まれ、早くから社交界に出入りし、多くの芸術家と親交を結ぶ。特にラディゲとの交友はコクトーの芸術活動を刺激し、またその死は阿片中毒に陥るほどの重大な影響を与えた。生涯にわたってジャンルの枠を超えた活動を繰り広げながら、その根源は常に「詩」にあった。
訳者:中条省平
1954年生まれ。学習院大学教授。仏文学研究のほか、映画・文学・マンガ・ジャズ評論など、多方面で旺盛な活動を展開している。主著に『小説家になる!』『反=近代文学史』『フランス映画史の誘惑』。訳書に『すべては消えゆく』(マンディアルグ)、『悪魔のような女たち』(ドールヴィイ)ほか多数。
[訳者]中条志穂
1970年生まれ。翻訳家。訳書に『ロベルト・スッコ』(フロマン)、『フェリーニ オン フェリーニ』(コスタンティーニ)、『アレクサンドリア』(ロンドー)、『四季の恋の物語』(ロメール、以上共訳)などがある。