「トモダチ」カラジユウニナル
2022年9月14日発売
定価:880円(税込み)
ISBN 978-4-334-04629-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
「友だち」から自由になる
つながりを意識的に調達しなければ、つながりの輪からあぶれてしまう社会では、まず、誰かと友人または恋人になる必要がある。誰かとの永続的な関係を望むのならば、私たちは、同じクラスなどたまたま居合わせた人に「友だち」をいう枠を当てはめ、その枠を維持するように行動しなければならないのである。
現代社会を生きる私たちの友人関係は、あらかじめ友人・友だちという枠を当てはめ、そこに合うように関係の中身を調整することで成り立っている。このようなつながりは、「結果としての友人」と正反対の「形から入る友人」とでもいうべきものである。
(第一章 変わりゆく「友だち」より)
目次
はじめに
第一章 変わりゆく「友だち」
第二章 友だちには本音を言えない
第三章 会えなくてもつながる友だち
第四章 コスパで決める友だちづきあい
第五章 「形から入る友人」関係を超えて
あとがき
著者紹介
石田光規(いしだみつのり)
1973年、神奈川県生まれ。早稲田大学文学学術院教授。東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。博士(社会学)。著書に、『友人の社会史──1980-2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』(晃洋書房)、『孤立の社会学──無縁社会の処方箋』『つながりづくりの隘路──地域社会は再生するのか』『孤立不安社会──つながりの格差、承認の追求、ぼっちの恐怖』(以上、勁草書房)。近著に、『「人それぞれ」がさみしい──「やさしく・冷たい」人間関係を考える』(ちくまプリマー新書)。