カマクラバクフコウソウシ
2022年7月13日発売
定価:1,034円(税込み)
ISBN 978-4-334-04619-4
光文社新書
判型:新書判ソフト
鎌倉幕府抗争史御家人間抗争の二十七年
頼朝薨去から承久の乱までの期間は、内紛・内戦の絶えなかった鎌倉幕府史においても異常な時代であった。私は、この期間における御家人たちの戦いをまとめて「御家人間抗争」を呼んでいる。
しかも、御家人間抗争で殺し合ったのは、十年に及んだ日本史上最初の全国的長期内乱(以仁王の乱~大河兼任の乱)を頼朝の下で共に戦い、いわば同じ戦場の釜の飯を喰った戦友、頼朝を先頭に「都市鎌倉」という「武士の町」を皆で築いた仲間たちであった。
たった一人の男の死を契機に、鎌倉幕府は「最も不幸な時代」に突入したのである。
(「序 殺し合いの時代」より」)
目次
序 殺し合いの時代
第一章 十三人合議制の成立と抗争の開始
第二章 梶原景時事件と広域武士団
第三章 比企の乱と北条時政の独裁
第四章 北条義時の台頭と和田合戦
第五章 源実朝暗殺と承久の乱への道程
第六章 承久の乱
第七章 伊賀氏の変と御家人間抗争の終焉
結 兵の道の虚実