ガイムショウケンシュウジョ
2020年5月20日発売
定価:880円(税込み)
ISBN 978-4-334-04434-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
歴史秘話外務省研修所知られざる歩と実態
外務省研修所は、一九四六年三月一日、日本が主権を喪失し、外交機能も停止され、外務省が機構を縮小し、東京が焼け野原という極めて厳しい状況の中で設立された。この英断には、国家の命運をも左右する「外交センス」を涵養する必要を痛切に感じた幣原喜重郎(当時の首相)、吉田茂(当時の外相)等、元外交官の強い想いが込められていた。
二一世紀の日本は、少子高齢化という難題を抱えている。国力の相対的な地位低下が不可避な情勢の中、日本が国際社会で生き残っていくには何が必要なのか。華やかな外交の表舞台の対極に位置する研修所の意義と役割を見直し、日本外交の将来のパフォーマンスを考える。
目次
【第1章】外務省の誕生と外交官の育成
【第2章】外交の「勘」を養うために
――外務省研修所の設立
【第3章】外交官の資質
――研修で何を学ぶのか
【第4章】国内外の公務員研修所
著者紹介
片山和之(かたやまかずゆき)
1960年、広島県生まれ。83年、京都大学法学部を卒業し、外務省入省。香港中文大学、北京語言学院、北京大学、スタンフォード大学に留学し、87年、ハーバード大学大学院修士号取得(MA地域研究)、2011年、マラヤ大学大学院博士号取得(Ph.D国際関係論)。外務省中国課首席事務官、内閣官房副長官(事務)秘書官、大使館一等書記官(中国)、参事官(米国)、国際エネルギー課長、文化交流課長、次席公使(マレーシア)、経済公使(中国)、次席公使(ベルギー)、デトロイト総領事、上海総領事等を経て、一九年、外務省研修所長(大使)に就任。日本国際政治学会会員。