ロンリテキニカンガエ、カクチカラ
2013年11月15日発売
定価:814円(税込み)
ISBN 978-4-334-03771-0
光文社新書
判型:新書判ソフト
論理的に考え、書く力
私は大学教員としての35年間で1万3千人もの学生を指導してきた。この経験を通して得た教訓に、「物事をじっくり考えることのできる学生は、考えるということ自体に我慢がともなうので、我慢強くなる」というものがある。しかしいま、物事に対して自らじっくりと考えることができない感情優先の学生が年々増えていることを痛感する。
学校教育では情緒的や感情的な表現の学びも大切ではあるものの、試行錯誤して考えることや論理的に表現する学びを疎かにしてはいけないはずだ。しかし、なぜ、この部分の教育が疎かになってしまったのだろうか。本書では、この問題をいろいろな角度から考えてみたい。
(本文より一部改変して抜粋)
目次
まえがき
第1章 ゆとり教育の「負の遺産」
第2章 マークシート式問題の本質的な弊害
第3章 教育と入試のあるべき姿
第4章 論理的に考え、書く力を磨くために意識したいこと
あとがき
著者紹介
芳沢光雄(よしざわみつお)
1953年東京都生まれ。東京理科大学理学部教授(理学研究科教授)を経て、現在、桜美林大学リベラルアーツ学群教授(同志社大学理工学部数理システム学科講師)。理学博士。専門は数学・数学教育。『新体系・高校数学の教科書(上・下)』、『新体系・中学数学の教科書(上・下)』(ともに講談社ブルーバックス)、『数学的思考法』、『算数・数学が得意になる本』(ともに講談社現代新書)、『数学で遊ぼう』(岩波ジュニア新書)などがある。