キノベス!2012授賞式&トークイベント いま、ことばを編むということ

キノベス!2012授賞式の三浦しをん氏挨拶 『舟を編む』は辞書の話で、言葉と記憶、言葉と希望についていろいろ考えながら書いた作品です。それをこんなふうに紀伊國屋書店の書店員さんがおすすめしたいと言ってくださって本当に光栄に思っております。今後も頑張ります。『舟を編む』を書くにあたって取材に協力してくださった辞書の編集部のみなさんに、改めて深く感謝申し上げます。どうもありがとうございました。

言葉がどんな飛び出し方をするか分からない、奔放な二人の爆笑トークセッション

去る2月4日、キノベス!2012に輝いた『舟を編む』の作者である三浦しをんさんと、翻訳家で前回のキノベス!2011を受賞した『いちばんここに似合う人』の訳者、岸本佐知子さんのトークセッションが行われました(於:紀伊國屋サザンシアター)。
「いま、言葉を編むということ」というテーマのもと、日々向かい合っている言葉と、辞書との奥深いエピソードを語り合うお二人・・・・・・と思いきや、BLあり、ティッシュの小人あり、ちょっとゆるめの執筆舞台裏あり、自由奔放に広がる話題に、場内も爆笑(場合により失笑)が絶えないのでした。
なるほど、言葉を編むとは日頃どのような耳をもち、どのような目をもって世界と対峙しているのかが現れることなのだ――。その様子を採録抜粋してお届けします。

辞書の編集者はコロボックル?

三浦:今日は岸本佐知子さんにお相手していただくということで、宜しくお願いいたします。岸本さんは前回のキノベスの第一位だったミランダ・ジュライさん『いちばんここに似合う人』の翻訳をなさったんです。ディフェンディング・チャンピオンですね。

岸本:選ばれたのは私じゃなくてミランダなので、私は関係ないんですが・・・・・・。

三浦:いえいえ、関係なくないですよ。ミランダがいくら書いても、岸本さんがいないと私読めないので。今日のテーマは、辞書について、言葉について、本について、ということで私たちの得意分野ですね、きっと。

岸本:そうですね。でもこの『舟を編む』が本当にとても面白くて。私は辞書ってとてもお世話になっている本なのですが、それを作った人々についてあまり考えた事がないというか、考えるのが恐かったというのがあります。人間業じゃないだろうと。

三浦:そうですよね! 私も辞書を見ながら「これってどうやって作るんだろう・・・・・・いやいや考えちゃいけないだろう」と思っていました。

岸本:海の底の洞窟の奥にいる謎の生き物が作っているんじゃないか、くらいの気持ちでいたので。

三浦:そうそう、そうなんですよ。『舟を編む』は岩波書店と小学館の辞書編集部の方に事前に取材させていただいて、書き終わった原稿もチェックしていただいたんですけど、そのあとでつい最近、三省堂の辞書の編集者の方にお会いしたんですよ。その編集者の方が言うには、「辞書の編集者というのはコロボックルのよう なものだ」と。あんがい海の底の不思議な生き物というのは当たっていて。

岸本:自分でコロボックルと思っている?

三浦:彼は「ご覧の通り自分は口が達者なので、広告宣伝部に異動になってしまった。西岡は自分がモデルかと思いました」と言ってくださったんですけど。その方が見た同僚の辞書の編集者というのは、「言葉が湧き出て来たり、貯えられているきれいな泉があって、その源泉をコロボックルたちはいつも見守って観察してい るんですけど、人がその泉に近づいたりすると“誰か来た・・・・・・!”と隠れちゃうような、人前に出たがらない、奥ゆかしい、ただ黙々と泉を観察して、研究している人たち」らしいですよ。

岸本:そうなんだ。取材にはどれくらい足を運ばれたんですか?

三浦:小学館と岩波書店で、各二回ずつくらいですね。

岸本:え、そんなものなんですか? 実際どうですか、皆さんコロボックル感はありましたか?

三浦:そうですね、ちょっと浮世離れしている感じはあるかもしれない。でもすごくコミュニケーション能力は高い。言葉のプロですからね。

岸本:なるほどね、あとやっぱり言葉というのは人が使っているものですからね。

三浦:たぶん、本当に人と交わらずにいては辞書の編集者としてだめだと思うんですよね。

岸本:『舟を編む』の中で荒木さんという方が、胸ポケットに用例カードを入れていて、誰かが言った言葉をメモしたり、馬締と聞いて名前の由来を聞いたりするじゃないですか。本当にああいう感じなんですか?

三浦:そうですねえ・・・・・・この本が出来上がったあとに、辞書の編集者の方と打ち上げをしたんですけど、そのときに名詞の裏かなんかにメモしてらっしゃいました。

岸本:それは何について?

三浦:何だっけ・・・・・・でも、「ランステ」という言葉をご存じですか? と言っていたのは覚えています。

岸本:ランステ?

三浦:ランニングステーションの略。今ジョギングが流行っているじゃないですか。荷物を預けておけて、着替えとか、シャワーも浴びたり出来る場所で。スポーツメーカーやシューズ会社が造っていて、商品を購入できたり、ランナーの憩いの場みたいになっている。

岸本:道の駅のような。

三浦:そうです! それから、「フラゲ」ってわかります?

岸本:フラゲ、分かるよ。

三浦:あら~・・・・・・私は昨日かな、知ったの。

岸本:ちょっと自信ないですが、フライングゲット、だよね?

三浦:そう。そのフライングゲットの意味なんですけど、私とそのとき一緒にいた編集者の方は、どっか高いところにあるものを「フライングゲットする」みたいな感覚でいたら違った。でもその編集者は「朝チュン」も知らなかったんですよ。

岸本:ちょっと待って。朝チュンはどうでしょうね?

三浦:え、知らないっていう人いますか?
(挙手多数)

三浦:あれ、え!? オタク用語?

岸本:そうですよ、そして説明するのがとても恥ずかしいので、宜しくお願いします。

三浦:まさか、こんなことになるとは・・・・・・(笑)。 少女漫画用語だと思うんですが、「朝チュン」というのは男女が、まあ男女じゃなくてもいいんですけど、恋人同士が心を通じ合わせて、いざベッドに入る。だけど、頁をめくったらもう朝で、“チュンチュン”と鳥が鳴いている。その肝心の、皆が見たくてたまらないシーンが省かれて、朝になって鳥が鳴いているというのを「朝チュン」っていうんですよ。それで「朝チュンかよー!」って。

岸本:やっぱりがっかり感とともに使われる?

三浦:もちろんがっかりですよ!

岸本:私は最近知ったのが・・・・・・(笑)。

三浦:なになに?

岸本:もう引っ込みがつかなくなったので言いますが・・・・・・最近知ってものすごくびっくりしたのが「やっそん」ですね。

三浦:何それ、「やっそん」?

岸本:はっ! 三浦さんも知らないとは・・・・・・。まあその、BLの関連のサイトを見ていて、男同士の行為のことを「やっそん」というらしいんですよ。

三浦:え~? なんで「やっそん」?

岸本:初め「やっ」って言って「そん・・・・・・・」って。
(場内爆笑)

三浦:あはははは。

岸本:あ~言わなきゃよかった。

三浦:全然知らなかった。

岸本:そのように次々と言葉が生まれてくるということで。

三浦:私、「リア充」という言葉も去年ようやく知って。「ステマ」とか、もうついていけないですよ。

岸本:私は堪(こら)え性がないのですぐネットで調べました。

三浦:そういう新語みたいなものは紙の辞書よりはネットのほうがいいですね、検索してすぐ分かって。

岸本:でもつまんないなって思いますね。

三浦:そうですね、分からないと色々考えますよね。

岸本:「やっそん」も黙っておいて宿題にすればよかった(笑)。

使う辞書、見る辞書、マイ辞書

三浦:辞書について話を戻しまして、岸本さん、ここにすごく気になる辞書が置いてあるのですが。

岸本:今日は辞書の話なので、私はこういう辞書を使っていますっていうのを持って来ようと思ったんですけど、重くて。

三浦:英語の辞書ってすごく大きいですよね、紙の辞書を使っていますか? 電子辞書ですか?

岸本:両方ですね。研究社の『リーダーズ英和辞典』、リーダーズの補遺版のようなもの、『ランダムハウス英和大辞典』というのが、十年くらい前までは翻訳者の三種の神器と言われていたんですけど、最近言わなくなったのは、やはりリーダーズのふたつは電子辞書になっちゃって、ついそっちを使っちゃうので。そういう毎日使う辞書は手の届くところに置いてあるのですが、めったに手を出さないのだけれど、常に目の合う距離に置いてある辞書、というのがいくつかあって、その内のふたつを今日持って来ました。
ひとつは『スーパートリビア事典』というのですが、奥付は1988年、片岡義男さんが推薦の言葉を書い ています。アメリカの文化や生活面での、辞書には絶対載っていなくて普通の人はまず知らない、知っていても役に立たない細かいことがたくさん載っていま す。本当に可笑しくて。例えば、「エフーディ」ってなんだか知っていますか?

三浦:エフーディ? 全然分からないです。

岸本:分からないですよね。ティッシュボックスがあるじゃないですか、あれをシュッて引っ張ったら次の一枚がでてくるじゃないですか。「エフーディ」とは、あの次の一枚を出す役割をすると信じられている小人のこと、って書いてある。
(場内大爆笑)

三浦:あははは(笑)。じゃあティッシュの箱が発明される前はその小人はいなかったんだ。すごい、本当にトリビアだなあ。

岸本:「ゴジラ」もものすごく詳しく載っていて、「放射能を持つ火を噴く怪獣・・・・・・云々」 と書いてあるんですが、そこから先に『ゴジラの名は東宝の演劇部の課長のあだ名、“グジラ”(「クジラ」と「ゴリラ」を合わせたもの)をヒントにした』 と、聞いた事もないトリビアがある。あとで聞いた話では、この部分は原著にもなくて、訳した人が勝手に思い入れで自分で書き加えたそうです(笑)。ある意 味すごく愛が込められている。

三浦:すごいですねえ(笑)。

岸本:もうひとつは『ア・ディクショナリー・オブ・キャッチフレーズィズ』っていうんですけれども、決まり文句、でも慣用句ではなくて、たとえば「当たり前田のクラッカー」とか「その手は桑名の焼きはまぐり」みたいな、キャッチフレーズについてすごく丁寧に解説してある。

三浦:「恐れ入谷の鬼子母神」、みたいな。

岸本:そうそう。これも現実的に役に立っていないんです。今も全然使わないのに、なぜこのふたつを目のつくところに置いてあるのかというと、私、OLから翻訳者になって、英語もそんなに出来ない、物もそんなに知らなくて、どうしていいか分からなかったんです。いろいろな人に、翻訳者というのは博識であることが何 よりだ、って言われていて、そんなときにこういう辞書があると、それこそ真っ暗な海の中で、いかだが浮かんでた! みたいな気分なんですよ。『舟を編む』というタイトルのもとは、辞書という舟がなければ言葉という広い海のなかで人はどうしていいか分からない、ということだと思うんですけれど、私の場合は本 当にその通り、切実で。周りの海は中にいたら溺れてしまって、誤訳と分からない海なんですよね。だから藁をもつかむ気持ちでこういう辞書をいっぱい集めて、見ているだけで心強かった。だから今も精神安定剤として目の前に置いているんですよ。三浦さんは小説を書くときにどんな辞書を使ってらっしゃるんです か?

三浦:国語辞典が多いですね。漢和辞典はあまり使わないですけど。机上の小型の辞書だと、『岩波国語辞典』、『新明解』を併用して、必ず二種類引くようにしていますね。その言葉の解釈が本当なのか、と。

岸本:自分でこういう言葉を書いてみたものの・・・・・・。

三浦:本当にこれでいいのか、と。もっと大きいものだと『広辞苑』と『大辞林』を併用していますね。で、さらに分からなくて不安なときは、『日本国語大辞典』というものを使います。大きくて何冊もあって重くて持ち上がらないから、本棚の一番下に置いてあって、床で調べて。

岸本:それは三浦さん自分のもの?

三浦:そうです、買ったんです。

岸本:父上が国文学者でいらっしゃいますよね。

三浦:実は父も持っているんですよ。

岸本:そうなんだ。別々に使っているのは、なぜ?

三浦:だって嫌ですよ(笑)。他人と辞書を共有するってできますか? そりゃ「貸して」って言われたら貸しますけど。「君と僕とでこの一冊を共有しよう」なんて・・・・・・嫌です(笑)。

岸本:どう嫌なの?

三浦:調べたい巻がもし父に使われていたら、まどろっこしいし。独占したいんですよね、辞書は自分だけの「マイ辞書」であってほしい。せっかくの辞書なんですから、独り占めしたい。

岸本:その感じはちょっと分かりますね。私はぱらぱらっと引くのは『新明解』を引く事が多いです。

三浦:私は『広辞苑』と『大辞林』が多いですね。『新明解』は面白いんですけど、新明解だけだと不安というか(笑)。

岸本:『舟を編む』でも馬締くんがまず「恋愛」を新明解で引いているんですよね。あと「へのひと」というのが出てきますよね。木の芽時になると「~へ」という使い方についてあれこれ質問してくるひと。

三浦:助詞の「へ」の用法が気になるんです。

岸本:血の合宿があったりとか・・・・・・こういうのは編集部に取材に行かれて本当にあったことなんですか?

三浦:そうですね、あんまり差支えるといけないんですけど、辞書編集部には辞書を使ってらっしゃる方からの手紙や電話が多いんですって。なぜこの語が入ってないんだ、とかこの意味はちょっと違うんじゃないか、とか。辞書を使っている人たちからの情報提供、声をちゃんと集めて、蓄積しているらしいんですね。で、編 集部で検討して。

岸本:じゃあそういう声って大事なんだ。

三浦:はい。ちゃんと全部聞いて。情報を集めるのが大切みたいですね。

三浦しをんのネタ帳公開!

岸本:先ほど取材に二回しか行かなかったって伺ってびっくりしているんですけど、編集部の様子とか、いろんな人々の習性とか、取材ノートは取ってらっしゃるんですか。

三浦:そうですね。手帳に書いたりしますし、ネタ帳というのがあって。

岸本:今回特別にそのネタ帳を見せていただけると。

三浦:はい。ネタ帳のコピーを回しますのでご覧下さい。デビューしたての頃に貰った雑誌の束見本をいまだに使っていて、その一冊に、ほとんどの作品のネタを書いています。『舟を編む』は見開きだけなんですよ。

岸本:これって『大渡海』の編集部の見取り図ですよね、かなり早い段階で描くの?

三浦:そうですね。まず部屋の見取り図とか鳥瞰図とか、そういうのを描くのが好きなんです。自分で気持ちを高ぶらせるんですね。好きだけどこのザマで、お話の大体のあらすじを考えて、登場人物の名前を考えます。名前と年齢、あと自分のことを「私」と言うのか、「俺」って言うのか。

岸本:私もそれは考えますよ。

三浦:大事ですよね。荒木さんは両方使う。馬締は普通に考えたら「僕」かな、と思ったんですけど、それじゃつまらないと思って。馬締は「俺」って言うんですよ。かえって不器用さが出るかなと思って。

岸本:うんうん、確かに。

三浦:俺とか格好つけてんじゃねえよ、と(笑)。

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岸本:カバーをはずすと、この本のもうひとつの楽しみはこの漫画でもあるわけです。三浦さんは書いている時にキャラクターの顔は浮かんでいるんですか?

三浦:いえ全く。連載第一回のあとで、雲田はるこさんにキャラクターのラフを出していただいたんですけど、それを拝見してもうこれだ! という気分で。あとはその絵を見ながらお話を書きました。

岸本:私は翻訳学校に通っていたときに、作家の人は必ず登場人物の顔を分かって書いているから、行間から思い浮かべろ、と教わったんです。ところが最近作家の人と話をする機会があって、聞いても「全然」とおっしゃる。しをんさんも・・・・・・。

三浦: 全然浮かばないですね。あと、情景とか座っている位置とかも、絶対ではなくて。たとえば読者は馬締が右に座って西岡が左手だと思って読んでいて、あとから違うと分かると脳内映像を変えなきゃいけないじゃないですか。そういう手間をかけさせないように、どうとでもとれるように書くか、もしくは最初からさりげなく分かるように書くかどっちかなんですよね。脳内で、なんとなくの状況浮かんではいるんですけど、絶対ではなく、変更可能なんです。

岸本:だから言葉って便利なものですよね。

三浦:そうですね、あやふや~な感じで、想像力をかきたてられて。

岸本:間にたっている翻訳家だけが苦労するという(笑)。

三浦:あと今回は辞書と関連付けて珍しい言葉を色々考えないといけなくて、「めれん」とか「西行 バイ松山巌さん」とかネタ帳に書いてあります。作中でも使った話なんですけど、松山巌さんと飲んでいた時に、松山さんが「西行ですよ・・・・・・」とおっしゃった。文脈から意味がとれずに、「どういう意味ですか」と尋ねたら「流れ者という意味もあるのです」と。

岸本:もしかしてその会話で「西行」を使おうと?

三浦:そうです。全然知らなかったし、面白いと思って。あと、夕方のニュースで「○○さんが川に溺れたとみて、捜索を続けています」って言っていたんですよ。 「川に溺れる」って女に溺れたわけじゃあるまいし、どんだけ川好きやねん! ってメモをとった。本当は大変なことだと思うんですけど。

岸本:ニュース内で訂正はなかった?

三浦:なかったです。ほかにも陸上のニュースで、「一日目で成功という結果が響き、順調に決勝にコマをすすめました」。「響く」はおかしくないですか。報道でこの言葉遣い、日本語の乱れですね(笑)。

岸本:アナウンサーも結構でたらめですよねえ。結構そういうのが気になるタイプ?

三浦:気になるタイプです。

岸本:取材メモはまた別にあるのでしょ?

三浦:取材の時は、特殊な数値とか専門用語とかはその場でちょっとメモをとるのですけど、それ以外はなるべくメモをとらずに覚えるようにしているんです。取材の時にメモをとると、雑談になりにくいんですね。その人の表情とか、同僚の人とのやりとりとかを見逃したくないので。取材が終わったら喫茶店に入って急いで 書きます。

岸本:言葉は悪いけれど、相手を油断させる。

三浦:ええ。すごく礼儀正しいひとが遊びにきたみたいな感じ。嘘なんですけどね、本当は興味津津なんですよ(笑)。

岸本:次はどんなものを?

三浦:職業ものではなくて、暗いやつを書こうかな。たまにそういうものを書かないと「コイツいい奴なんだな」となめられちゃ嫌なので(笑)。私の性格の悪さをなめるなよ、と。

岸本:そういうモチベーションで書くんだ(笑)。

三浦:性格の悪さをごまかしているのが嫌になっちゃった。

岸本:なるほど。では次なるデトックス作に期待しています。

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この後、読者からの質問や、学生時代に読んだ本など、お二人の盛り上がりは収束する気配を感じさせなかったものの、時間の都合で終幕となりました。ちなみに 思春期真只中の「学生におすすめする本」として、三浦さんは『いちばんここに似合う人』、岸本さんは筒井康隆著『虚航船団』を挙げていらっしゃったことを付記しておきます。