コキョウ/アキュウセイデン
2009年4月9日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-75179-1
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
故郷/阿Q正伝
久しぶりの帰郷で再会した幼なじみは、かつて僕の英雄だった輝きを失っていた……「故郷」。定職も学もない男が、革命の噂に憧れを抱いた顛末を描く「阿Q正伝」。周りの者がみな僕を食おうとしている! 狂気の所在を追及する「狂人日記」。中国近代化へ向け、文学で革命を起こした魯迅の代表作16篇。
著者紹介
魯迅[1881-1936]
中国浙江省紹興の地主・官僚を兼ねる知識層、士大夫の家に生まれる。1896年に父が病死して、家も傾く。1902年日本へ留学し医学を志すも、文化の改革の必要性を痛感して文学に転向。留学中には欧米文学の中国語への翻訳・紹介に力を注ぐ。09年の帰国後は、雑誌『新青年』を中心に起きた、口語文による「新しい国語」で、民衆を国民国家の成立へ向けて導こうとする文学革命運動に参加。18年に代表作『狂人日記』、22年『阿Q正伝』を発表。旧制度、旧道徳の病根を描いた作品は中国現代文学の礎となった。
[訳者]藤井省三
1952年生まれ。東京大学教授。1991年魯迅研究により文学博士。著書に『魯迅事典』『魯迅「故郷」の読書史』。訳書に『魯迅全集・第12巻「訳文序跋集」』(共訳)、『酒国』(莫言)、『神樹』(鄭義)、『夫殺し』(李昂)ほか多数。