テンシノチョウ
2008年9月9日発売
定価:968円(税込み)
ISBN 978-4-334-75166-1
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
天使の蝶
「先史時代の鳥類」のような奇怪な骨を見つけたのは、廃墟と化した大戦後のベルリンのアパートの一室……。表題作「天使の蝶」には、化学者でもあったプリーモ・レーヴィの世界観が凝縮されている。人間の夢と悪夢が交錯する、本邦初訳を多数収録した傑作短編集。
著者紹介
プリーモ・レーヴィ[1919-1987]
イタリアの化学者・作家。トリノのユダヤ系の家庭に生まれる。1943年、ドイツ軍のトリノ占領に伴いレジスタンスに参加するが、捕らえられ、アウシュヴィッツ強制収容所に送られる。1945年、ソ連軍により解放され、奇跡の生還を果たす。帰国後、化学塗料工場に勤めながら、自らの体験を書いた『アウシュヴィッツは終わらない』を刊行し、高い評価を得る。その後、独特の視座で現代社会や人間を諷刺した幻想小説なども発表。1979年には、『星型レンチ』でストレーガ賞を受賞する。ほかに代表作は、『休戦』、『溺れるものと 救われるものと』など。
[訳者]関口英子
埼玉県生まれ。旧大阪外国語大学イタリア語学科卒業。翻訳家。児童書から映画字幕までイタリア語の翻訳を幅広く手掛ける。主な訳書に『マルコとミルコの悪魔なんかこわくない!』『猫とともに去りぬ』(以上、ロダーリ)、『神を見た犬』(ブッツァーティ)、『イタリアの外国人労働者』(フォルトゥナート他)など。