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新書|詳細

日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?

ニホンノショウシカタイサクハナゼシッパイシタノカ?
2020年5月20日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-04468-8
光文社新書
判型:新書判ソフト

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日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?結婚・出産が回避される本当の原因山田昌弘/著

「1・57ショック」(1990年)から30年もの間、出生率が低迷している日本。当然の結果として、21世紀に入り人口減少が始まっている。欧米人からは「なぜ日本は少子化対策をしてこなかったのか」と驚かれる。一方、アジアの国々の人からは「日本のようにならないためにはどうすればよいか」と聞かれる。日本を反面教師としようとしているのである。
家族社会学者である著者は、日本の少子化対策が事実上失敗に終わっているのは、未婚者の心と現実に寄り添った調査、分析、政策提言ができていなかったからだと考える。具体的には、欧米に固有の慣習や価値意識をモデルの前提にし、日本人に特徴的な傾向・意識、そして経済状況の変化を考慮しなかったのである。本書では失敗の原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。

目次

はじめに――「子どもにつらい思いをさせたくない」日本人
第1章   日本の少子化対策の失敗
(1)世界で「反面教師化」する日本の少子化対策
(2)日本の「少子化対策失敗」の経緯
第2章   日本の「少子化対策失敗」の理由
(1)日本の出生率を動かす人々は、誰なのか?
(2)少子化の直接の原因に関する「誤解と過ち」
第3章   少子化対策における「欧米中心主義的発想」の陥穽
(1)欧米中心主義的発想とは
(2)欧米諸国の少子化の特徴
(3)欧米モデル適用の陥穽――欧米にあって日本にないもの
第4章   「リスク回避」と「世間体重視」の日本社会
――日本人特有の価値意識をさぐる
(1)「生涯にわたる生活設計」+「リスク回避意識」
(2)世間体意識――「人からのマイナス評価を避けようとする」意識 
(3)強い子育てプレッシャー――子どもにつらい思いをさせたくない
第5章 日本で、有効な少子化対策はできるのか
(1)日本の少子化の根底にあるもの
(2)日本の少子化進展の見取り図
(3)有効な少子化対策とは?
あとがき

著者紹介

山田昌弘(やまだまさひろ)
1957年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。主な著書に『近代家族のゆくえ』『家族のリストラクチュアリング』(以上、新曜社)、『結婚の社会学』(丸善ライブラリー)、『パラサイト・シングルの時代』『パラサイト社会のゆくえ』(以上、ちくま新書)、『希望格差社会』(ちくま文庫)、『家族というリスク』(勁草書房)、『迷走する家族』(有斐閣)、『家族ペット』『新平等社会』(文春文庫)、『少子社会日本』(岩波新書)、『底辺への競争』『結婚不要社会』(以上、朝日新書)、『家族難民』(朝日文庫)など多数。

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