アイロニーハナゼツタワルノカ?
2020年1月16日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-04454-1
光文社新書
判型:新書判ソフト
アイロニーはなぜ伝わるのか?
ある晴れた休日、「今日はお出かけ日和だ」と言って意気揚々とAさんが家族をつれてピクニックに出掛ける。ところが、急に天気が崩れて土砂降りになり、「ほんとに今日はお出かけ日和ね」と家族に言われてしまう。Aさんに対する非難のこもったこの発言が、いわゆるアイロニー発話と呼ばれるものの典型とされる。この場合、「アイロニー」に「皮肉」という訳語を当ててもかまわないが、アイロニーは「皮肉」よりも幅広いカテゴリーの修辞的表現である。
本書では、この「言いたいことの逆を言う」アイロニーがどうして相手に伝わるのかという問題を考える。現実を相対化するための、知的な「武器としてのアイロニー」の可能性も示す。
目次
第1章 言葉のアイロニー
第2章 アイロニーのメンタル・スペース構造
第3章 文学作品におけるアイロニー