チジョウサイダイノギョウジ バンコクハクランカイ
2018年7月19日発売
定価:924円(税込み)
ISBN 978-4-334-04363-6
光文社新書
判型:新書判ソフト
地上最大の行事 万国博覧会
日本万国博覧会の開催までには、まだ越えなければならない山がいくつもあった。私はこうした経緯の詳細を、万国博が終わった後も長く語ることはなかった。「決して語るな」という勧告を、協力者や関係者、通産省の同期生からも受けていた。
日本は、私のような一介の官僚たる「偉くない人」が巨(おお)きな企てを実現できる国である。と同時に、嫉妬深い国でもある。それを熟知していたからこそ、口を閉ざしたのである。
「偉くない人」が巨きな企てのできる国――これを教えてくれるのもやはり歴史である。 (本文より)
目次
はじめに
第一章 一九七〇年万国博覧会――日本最大の行催事
第二章 戦前戦中の大阪――迷える大都市
第三章 大事なのはコンセプト
第四章 人間の博覧会
第五章 万国博の成果と後始末
第六章 一九九二年セビリア万国博覧会
第七章 二〇一〇年上海万国博覧会
著者紹介
堺屋太一(さかいやたいち)
1935年大阪府生まれ。作家・経済評論家、元経済企画庁長官。東京大学経済学部卒業後、通商産業(現・経済産業)省入省。通商白書で「水平分業論」を展開。日本万国博覧会(大阪万博)開催を推進し成功を収める。沖縄海洋博や「サンシャイン計画」に携わった後、78年に退官。予測小説『油断!』で作家デビュー。続いて『団塊の世代』を発表、ミリオンセラーになる。98年7月から2000年12月まで、小渕恵三内閣、森喜朗内閣で経済企画庁長官を務めた。92年セビリア万国博覧会日本館総合プロデューサー、2010年上海万国博覧会日本産業館代表兼総合プロデューサーを務め、共に好評を博した。