ゴカイダラケノジンコウチノウ
2018年2月15日発売
定価:880円(税込み)
ISBN 978-4-334-04338-4
光文社新書
判型:新書判ソフト
誤解だらけの人工知能ディープラーニングの限界と可能性
日本は人工知能の開発にかなり乗り遅れています。その理由の1つは、人工知能の礎を作る「データの質と量」の不足です。人工知能のモデルを作ろうとする企業は、今後ますますデータを求めるでしょう。アジア人のデータを求めてアジアへ進出する企業が登場するでしょうし、そのために製品開発をするかもしれません。最近で言えばスマートスピーカーの開発が良い事例です。家庭内での音声のリアルデータを集めるために、スマートスピーカーを開発したのです。
恐ろしいのは、海外企業製の人工知能が採択されると、根こそぎデータが海外に流出して国内に残らない点です。人工知能にデータは不可欠ですから、そのデータが国外に流出してしまうと、ますます人工知能が作れなくなる。負ければ負けるほど、勝つことが難しくなる。これは人工知能開発でもっとも恐れられている敗退シナリオです。
目次
第1章 みんな人工知能を勘違いしている
第2章 人工知能はこの先の社会をどう変えていくか?
第3章 社会に浸透する人工知能に私たちはどのように対応するべきか?
著者紹介
田中潤(たなかじゅん)
Shannon Lab株式会社代表取締役。アメリカの大学で数学の実数解析の一分野である測度論や経路積分を研究。カリフォルニア大学リバーサイド校博士課程に在籍中にShannon Labを立ち上げるため2011年帰国。人工知能の対話エンジン、音声認識エンジンを開発。開発の際は常にPythonを愛用。編著に『Python プログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本』(秀和システム)がある。
松本健太郎(まつもとけんたろう)
龍谷大学法学部政治学科、多摩大学大学院経営情報学研究科卒。さまざまなデータを駆使して政治、経済、文化などを分析・予測することを得意とし、テレビやラジオ、雑誌で活躍している。近著に『グラフをつくる前に読む本』(技術評論社)がある。