テンキツウ
2017年5月17日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-03990-5
光文社新書
判型:新書判ソフト
天気痛つらい痛み・不安の原因と治療方法
天気によって生じたり悪化したりする慢性の痛みを、私は「天気痛」と名づけ、2015年に出演したテレビ番組「ためしてガッテン」で初めて言及しました。正直なところ、「信じてもらえるだろうか?」と不安だったのですが、その反響は驚くほど大きなものでした。番組が終了するやいなや、続々とメッセージが届き出したのです。そして、その多くに、「なぜこれほど体調が悪くなるのか自分でもわからなかったけれど、原因がわかった」「痛みが天気と連動していると誰にもわかってもらえなかったが、やっと理解してもらえる」といった長年の苦しみと、その原因がわかった喜びが綴られていました。二十数年に及ぶ研究が、報われた思いがしました。
(「はじめに」より・一部略)
目次
はじめに
第1章 全国1000万人が苦しむ「天気痛」
1 周囲の人にわかってもらえない「天気痛」の実態とは
2 「天気痛」とは、「慢性痛」に「天気」が絡んだ複雑な痛み
3 「天気痛」を引き起こすのは、どのような天気か
第2章 「痛み」がわかれば、「天気痛」は怖くない
1 痛みは他者と共有できない、自分だけの感覚
2 急性痛と慢性痛の違い
3 関節痛は、関節が作るのか? 脳が作るのか?
第3章 人はこうして「天気痛」になる
1 天気の変化が「ストレス」になる
2 慢性痛とストレスの関係
3 私たちは、天気をどうやって感じるのか?
第4章 治療法と対処法を知れば「天気痛」の不安は解消できる
1 自分を客観的に見て、病状を把握する
2 めまいのある人は、「抗めまい薬」を活用する
3 痛み止めや漢方薬の上手な使い方
4 自分でできる天気痛改善ストレッチ
5 生活習慣の改善から最新機器まで
第5章 歯周病、更年期障害、脳卒中も天気の影響を受ける
1 「気象病」とは、どのような病気をさすのか?
2 「天気」も含めた「環境医学」が、今後ますます重視される
おわりに
著者紹介
佐藤純(さとうじゅん)
医師・医学博士。名古屋大学教授を経て、愛知医科大学・学際的痛みセンター客員教授。東海大学医学部を卒業後、名古屋大学大学院研究科で疼痛生理学、環境生理学を学ぶ。1987年、アメリカ・ノースカロライナ大学に留学。慢性疼痛と自律神経系の関係について研究を行う。1991~2016年、名古屋大学に在籍。2005 年より愛知医科大学・学際的痛みセンターで日本で唯一の「天気痛外来」を開設。天気痛研究・診療の第一人者として、NHK「ためしてガッテン」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビでも活躍している。著書に『天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる! 』(扶桑社)などがある。