ハクマイガケンコウジュミョウヲチヂメル
2015年12月16日発売
定価:814円(税込み)
ISBN 978-4-334-03895-3
光文社新書
判型:新書判ソフト
白米が健康寿命を縮める最新の医学研究でわかった口内細菌の恐怖
歯原性菌血症という言葉をご存知だろうか。菌血症とは、細菌が血中に入り込み、全身の血管を巡るものをいう。通常は血管の中に細菌は入らないが、身体の中でただ1カ所、日常的に細菌が血管に容易に入ることのできる場所がある。それは歯の根元にできた虫歯や歯周病である。この歯原性菌血症は、気づかぬ間に全身の血管でじわじわと炎症を進行させ、血管を劣化させて、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、がん、認知症、リウマチなど、種々の慢性病の原因となることが、最新のDNA解析技術でわかってきた。原因は子ども特有の歯の表面の虫歯(砂糖が原因)だけでなく、大人特有の歯の根元にできる虫歯(主食が原因)や歯肉炎である。ほぼ全ての生活習慣病に関わるこの歯原性菌血症を防ぐためには、主食を重視する栄養学の常識を根本から見直すことが必要。古代からの人類の歯や骨の変化や、統計、最新の研究データを基に、医科と歯科の連携、最新の口腔ケアの重要性を説く。
目次
はじめに――菌血症の恐怖
第1章 口内の糖質と細菌が、血管を滅ぼす
第2章 口内の細菌が全身で起こす慢性炎症
第3章 人類は主食によって歯を失った――口内の細菌と人体の歴史
第4章 炎症を起こさないための食事とは
第5章 新・口腔ケア入門
おわりに
著者紹介
花田信弘(はなだのぶひろ)
1953年福岡県生まれ。福岡県立九州歯科大学歯学部卒業、同大学院修了。米国ノースウェスタン大学博士研究員、九州歯科大学講師、岩手医科大学助教授、国立感染症研究所部長、九州大学教授(厚生労働省併任)、国立保健医療科学院部長を経て、2008年より鶴見大学教授。この間、健康日本21計画策定委員、新健康フロンティア戦略賢人会議専門委員、内閣府消費者委員会委員、日本歯科医学会学術研究委員会委員長を務める。現在、日本歯科大学、明海大学、東京理科大学の客員教授、長崎大学、新潟大学、東京医科歯科大学の非常勤講師、NEDO評価委員を併任している。『オトナこそ歯が命』(小学館文庫)、『もう虫歯にならない!』(新潮OH!文庫)などの一般向け書籍のほか、歯科関係の専門書、教科書などの執筆多数。