アスペルガーショウコウグンノナンダイ
2014年10月15日発売
定価:968円(税込み)
ISBN 978-4-334-03823-6
光文社新書
判型:新書判ソフト
アスペルガー症候群の難題
私たちは、1997年の酒鬼薔薇聖斗による犯行に戦慄し、2000年の「17歳の犯罪」を経験し、動機の理解できない少年凶悪犯罪の数々に驚きを持ってきた。2014年になった今でも、その犯罪と動機を理解し得ないままだ。しかし、10年あまりの歳月が過ぎ、これらの事件を見返してみると、アスペルガー症候群という鑑定結果や診断が下された事件が多いという点に気づかされるのだ。
本書では、アスペルガー症候群の特性と犯罪に関係があるのか、という疑問に、現在まで積み重ねられてきた科学的知見に基づき、できる限り答えようと思う。
目次
第1章 アスペルガー症候群の特性と犯罪
第2章 暴力行為の防波堤は家族
第3章 暴力アスペの問題と海外の研究
第4章 犯罪事件をふり返る
第5章 少年犯罪とアスペルガー症候群
第6章 アスペルガー症候群と医療観察法
第7章 精神発達病理学的視点とADHD
第8章 これから私たちが考えること
あとがきに代えて――診断とは何か
著者紹介
井出草平(いでそうへい)
1980年大阪生まれ。専門は社会学。博士(人間科学)。大阪大学非常勤講師。大阪大学人間科学研究科課程博士後期課程修了。著書に『ひきこもりの社会学』(世界思想社)、共著に『家族を超える社会学』(新曜社)、『日本の難題をかたづけよう』(光文社新書)。大阪府子ども・若者自立支援事業専門委員。2010年度より大阪府のひきこもり支援事業に関わる。