ケンショウ ザイムショウノキンゲンダイシ
2012年3月16日発売
定価:902円(税込み)
ISBN 978-4-334-03674-4
光文社新書
判型:新書判ソフト
検証 財務省の近現代史政治との戦い150年を読む
財務省とは、国の歳入と歳出を管理する官庁、すなわち税金を集めて予算として配分する役所であり、前身の大蔵省以来、「戦後最強の官庁」として日本に君臨してきた。しかし、明治以来、大蔵省ほど絶大な力を持ちながらも注目されてこなかった組織はない。
そして今、財務省はデフレ不況下での増税を企んでいる。「増税やむなし」の空気が流れる中、これは本当に正しい選択なのだろうか。
気鋭の憲政史家が大蔵省・財務省一五〇年の歴史にメスを入れ、知られざる政治との関係、「増税の空気」の形成過程を描き出し、日本再生への道を綴った本邦初の試みとなる意欲作。
目次
はじめに
第 1 章 大蔵省の誕生
―― 財政の専門家とキャリア官僚制の起源(1873~1923)
第 2 章 日本の最強官庁へ
―― 守護神・井上準之助の登場(1924~1931)
第 3 章 パンドラの箱
―― 大蔵省史観の「異物」(1932~1945)
第 4 章 占領と復興
―― 知力を尽くした戦いの歴史(1945~1955)
第 5 章 復興から高度経済成長へ
―― 池田勇人のグランドデザイン(1955~1965)
第 6 章 三角大福、赤字国債、消費税
―― 「無敵」大蔵省に忍び寄る悪夢(1965~1980)
第 7 章 失われた十年
―― 政治家に振り回される大蔵省(1982~1996)
第 8 章 平成と日本の未来
―― 財務省は「伝統」に目覚めるか(1997~2011)
おわりに
推奨参考文献
著者紹介
倉山満(くらやまみつる)
一九七三年香川県生まれ。中央大学大学院文学研究科日本史学専攻博士後期課程単位取得満期退学。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員。現在、国士舘大学講師。社会人を対象にした「帝国憲法講義」が評判を集めている。専門は憲政史。著書に『誰が殺した? 日本国憲法!』(講談社)、編著に『総図解よくわかる日本の近現代史』、共著に『総図解よくわかる第二次世界大戦』(以上、新人物往来社)がある。