リコンデコワレルコドモタチ
2010年2月17日発売
定価:946円(税込み)
ISBN 978-4-334-03550-1
光文社新書
判型:新書判ソフト
離婚で壊れる子どもたち心理臨床家からの警告
現在の日本では、3組に1組の結婚が離婚に至っており、乳幼児を抱えての離婚も急増している。子どものためにも不幸な結婚生活に早く終止符を打つことを考える人も増えており、それ自体は必ずしも否定的な社会問題とはいえない。しかし、日本では未だに「夫婦の別れ=親子の別れ」となることが大半である。そのため子どもの奪い合いも熾烈化しており、裁判での争いがさらに子どもを傷つけるケースも増えている。この裏には、未だ日本の法律が、離婚後に単独親権制度をとっていることがある。
幼くして離婚に巻き込まれた子どもたちは、その後どのような発達の軌跡を描いていくのか。なかなか明かされない子どもたちの本心は――。本書では、心理臨床家として様々なケースをみてきた著者が、事例や諸研究をもとに解説。「日本の離婚」の抱える問題点に挑み、解決策を模索する。
目次
はじめに
第一章 離婚で母親、父親はどう変わるのか
第二章 子どもは親の離婚にどう反応するのか
第三章 事例からみる
第四章 単独養育から共同養育へ
第五章 高葛藤離婚で壊れる子どもたち
第六章 事件・悲劇から学ぶ
第七章 葛藤を超えて離婚を成功させるには
参考文献
初出一覧
あとがき
著者紹介
棚瀬一代(たなせかずよ)
1943年生まれ。国際基督教大学卒業。78年から90年まで、関西および京都で「いのちの電話」相談員。90年京都大学大学院教育学研究科に社会人入学し、97年同研究科博士課程修了、99年博士(教育学)。90年から12年間大津家庭裁判所家事調停委員。臨床心理士。京都女子大学現代社会学部助教授、帝京大学文学部助教授を経て、現在、神戸親和女子大学発達教育学部教授。著書に『「クレイマー、クレイマー」以後――別れたあとの共同子育て』(筑摩書房)、『虐待と離婚の心的外傷』(朱鷺書房)、『離婚と子ども――心理臨床家の視点から』(創元社)などがある。