光を届けろ! Challenge of Delivery

Top Interview

80周年を迎えた光文社の魅力とは 光文社の100周年へあなたと

1945年10月の創業から、昨秋に80周年を迎えた光文社。
いまの光文社の仕事やリアルな雰囲気、そしてこれからの出版業界、光文社の変化について。
そして、100周年を迎えたとき、光文社の中心となっている“あなた”へのメッセージも。
巴社長のインタビューをお届けします。

Top Interview 01

80周年を迎えた光文社の印象は?

出版物をつくるということに、
真摯に向き合って、まっすぐな仕事をしている

ひとつの区切りとなるタイミングを迎えた、光文社のいまの印象はいかがでしょうか。

巴一寿代表取締役社長(以下巴) とにかく真面目な社員が多い。書籍やコミック、月刊誌や週刊誌といろいろな出版物があるが、「出版物に真摯に向き合う編集の魂」を感じる。日本も海外も、コンテンツに触れる機会は変化しているので、魂を込めてつくったコンテンツをどのように人々に伝えるか、届けることができるかが、80周年を迎えた光文社の課題であり、チャレンジであり、ミッションだと思っています。

ずっと歴史的に続いてきた出版社は、「つくる人」「売る人」「儲ける人」というふうに、縦割りのセパレート型のような分業制度で成立してきた。ただ、いまの時代は、「つくる人」「売る人」「儲ける人」のそれぞれの役割の横連携がないと、読者のもとに出版物が届かない。そういう意味では、部署や年齢、役割を越えて、「読者に出版物を届けるためにはどうすればいいか」という話を横断的にする機会は、ますます増えている。「私はいま、こういう仕事をしていて、光文社はもっとこういうことをしたほうがいい。会社にはもっとこういうことがあったら嬉しい」という話を、横に対しても縦に対してもフラットに、自分の思いをきちっと伝えられる。こういう社風をもっともっと成長させていきたい。

代表取締役社長

巴 一寿Tomoe Kazuhisa

1986年学習研究社入社。講談社、第一通信社を経て2023年8月より光文社代表取締役社長

Top Interview 02

いまの出版業界に起こっている変化、 そして光文社に起こっている変化は?

コンテンツのマルチユース化に
もっともっと対応していく必要がある

これから先の出版業界や光文社についても伺えればと思います。出版社の置かれている状況について、どう見ているかをお話しいただけますか。

巴 まず、昭和からずっと続いている出版社のビジネススタイルというものが、業界的に厳しい状況になっていることは事実。それでも、良質な出版物をどんどん読者に届けていくには、コンテンツのマルチユース化にもっともっと対応していく必要がある。プリントの出版物で読んでくださる方がいて、一方ではデジタルでコンテンツを読む人も増えている。テキストや静止画でなく、動画や音声で見たい・聴きたいという人もいる。さらには、検索をして、自分の求める情報だけを見たいという人もいる。いろいろな人がいて、世の中が大きく変わっている。たとえば、映画『ブラック・ショーマン』を見て、「原作を読みたい」と思ってもらえれば、いままで本を読まなかった人たちが本にふれてくれる機会につながる。さらに目を広げれば、日本の出版物・コンテンツは海外でも需要がある。だから、日本にとどまらず、世界のいろいろな生活習慣や宗教観などの特徴を持つ人々を意識したコンテンツづくりをしていくことも大事。つくり方をひとつの方法論に限定するのではなく、いろんな方法論でアプローチをかけていって、いまの読者に見合うタッチポイントをつくるということが大切になっていきます。

出版社の置かれている状況についてお伺いしましたが、光文社に絞って考えるといかがでしょうか。

巴 女性誌は、紙の雑誌という形でブランディングをするということは間違いなく必要。ただ、これからの時代、紙だけでいいかと言ったら違う。たとえば「VERY」であれば、世界観を紙の雑誌できっちりブランディングして、それに付随してWebメディアで補完する。さらにSNSも拡充していく。そして、動画でも見たいという方に向けてもきちんとアプローチをする。そして先日、30周年記念のイベント「VERY FES」を開催したように、リアルの場で読者と出会い、ファンになってくれた人をキャッチし続けていく。女性誌には、今後こういう取り組みが必要。「光文社ドクチョー総研」という組織を、IDビジネスのために立ち上げたのも、この取り組みのひとつです。

こと週刊誌で言えば、やっぱり新聞社でもテレビ局でもネットニュースでもない、信頼に足る雑誌らしいジャーナリズムというものがあるはず。いまは携帯さえあればいろんなニュースサイトでニュースはいくらでも拾える状況。一次性のニュースを見たいのか、ニュースの裏側にあるものが見たいのか、しっかりとした取材のされている論拠に基づくものが見たいのか。世の中の人がどう情報をキャッチアップしたいのかということを探っていなかなければならない。「女性自身」「FLASH」には、ジャーナリズムのある雑誌としての、社会に向き合う厳しい目のメディアとしての役割がある。

書籍で言うと、成長しているジャンルに児童書やライトノベル、コミックがある。冷静にいまの出版市況を見渡して、光文社がまだまだ取り組めるものやマーケットがあるものに対してものづくりをしていくということが必要になるし、今後も力を入れていきます。

Top Interview 03

これからの光文社に求めるものは?

編集者としての魂と、
マーケティングの視点や想像力といった二軸性

ここまで、これからの出版業界や光文社に起こり得る変化について、外的な状況をお伺いしましたが、続いて内面についてもお伺いします。

巴 まず、編集者としての魂は絶対に忘れてほしくない。ですが、それだけではなく、ものをつくるときに、誰に向かってそれをつくっていくのか。その誰は、どういうふうな環境で情報にふれたいと思っているか。「どういうニーズがあるのかをしっかり想像して、リサーチをしたうえでものをつくっていく」という意識を、社員全員が持つ必要がある。編集者としての魂と、マーケティングの視点や想像力といった、「二軸性をもった出版人」が、これからは必要になっていきます。営業からも、「この読者はこういうストーリーを求めているから、こういうものをつくろう」と編集に提案するような双方向性が必要。営業は営業、編集は編集という区別ではなく、お互いにマーケットを理解して、リサーチをしたうえでのものづくりが必要。

光文社の特徴として、「読者調査」にあらわれているような、読者との距離感が近いということがあります。この特徴はこれからどのように変化していくとお考えでしょうか?

巴 今後はその特徴も、「変化」というより「進化」していかないといけないと思っています。読者に寄り添う光文社の「読者調査」は本当に誇りを持っていいカルチャーで、絶対に忘れてはいけない。編集者、出版社というものは時代の牽引者ですが、出版社が勝手にみんなの思っていることと違う突拍子もないことを始めたところで、誰もそこには賛同してくれない。いまの時代の人々を見て、何を求めているかを理解している必要がある。人々の足りないところや欲しているところ、そういったものをきちっと会話のなかでリサーチをかけて、ものづくりに生かす。これを連綿とやっているのが光文社。

販売であれば、全国の書店さんがどういう書籍だったら面陳したいのか、どういう書籍だったら仕入れたいのか、どういう顧客を書店に集客したいのか。こういうリサーチをものづくりに生かしていく。電子書店に対しても、売れ筋のジャンルや傾向があるわけで、彼らが求めるものは何なんだろう?という発想が必要。広告のBtoBのビジネスでも同じで、企業が雑誌コンテンツに求めるものをきちっとキャッチアップする必要がある。すべては、「世の中の需要をとらえていかないと、実際の世の中との乖離が大きくなってしまう」ということ。編集だけが読者に近いのではなく、販売も広告営業にも、光文社の特徴を広げて進化させていきたい。

Top Interview 04

これからの光文社に求める人物像は?

これからの光文社に求める人物像は?

これからの光文社に 求める人物像は?

読者に喜んでもらうには
どうすればいいのかを考え、
本だけでない、いろいろな発想ができる人

最後に、光文社にこれからどのような人に入ってきてほしいかをお伺いします。どういう人を求めているのか、どういう人が向いているのでしょうか。

巴 出版は「世の中にさまざまな提案ができる、人の人生を変えるくらいの提案ができる」業種です。ある出版物に出会って、自分の人生を振り返って、そしていまを見つめなおしたときに、明日の人生が変わる瞬間をつくることができる可能性が、出版にはおおいにある。だから、そういう気概のある人が光文社に来てくれたら嬉しいです。「自分はなぜ出版社に来たんだ」と考え続けてほしいし、自分のつくりたいものだけをつくるのではなく、つくったものが人にどう影響を与えたのか、どう人生を変えたのか。それだけメッセージ性の強い製品をつくることができるのが出版の醍醐味なので、その根本をしっかり持った人に入ってきてほしいと思います。
「これがやりたい」ということは後から考えればいいことでもある。入社した後に必要なことは、ものづくりだけではなく世の中全体の仕組みに向き合い、それに対して自分の考えを柔軟に持つこと。エキスパートももちろん必要ですが、ジェネラリストもこれからの光文社にはとても大切になっていくと思います。いろんなバランスのなかで、最終的に読者に喜んでもらうにはどうすればいいのかという道筋を考え、本だけでないいろんな発想ができる人。そういうことが考えられる人が、この会社にいっぱいいてくれたら嬉しい。

ありがとうございます。いまのお話は出版をもともと志望している方に光文社を見ていただきたいというお話かと思うのですが、出版社そして光文社の仕事がどんどん幅広くなっているいま、出版社をたまたま見たという人もいらっしゃるかもしれません。そういう方にもメッセージをいただけますか?

巴 出版にもともと興味がなかった方でも、いまの出版社では、きっとおもしろいことを見つけられる。昔で言えば、大学の文系の人が出版社に来ることが多いけれど、たとえばシステムエンジニアを目指している理系の人が、自分の持っているスキルを使って、いまの出版業界に対して新しい提案をする、そのスキルで新しい仕組みができて、生活者に届くようになるかもしれない。そういうスキルで新たなチャレンジをしたいという人が来てくれたらこれもまた嬉しい。やっぱりこれだけ出版業界が変わっていく、変わっている環境のなかでは、違うアプローチで出版物に出会う人たちを捕まえていく必要がある。マーケティングの発想やツールの発想、エリアの発想だったり、そういうものを幅広く持っている方も、ぜひ光文社はお待ちしています。

撮影/根本真裕美 構成/人事総務部 ※役職名や固有名詞は2026年2月時点のものになります