光を届けろ! Challenge of Delivery

Dialogue 01

「届け方」を突き詰める! 光文社の「雑誌コンテンツ」と「デジタル」最前線

「届け方」を突き詰める! 光文社の「雑誌コンテンツ」と「デジタル」最前線

「届け方」を突き詰める! 光文社の「雑誌コンテンツ」と 「デジタル」最前線

光文社の刊行する雑誌は、「女性月刊誌」と「週刊誌」にわかれています。
読者に寄り添い、悩みの半歩先の解決策をつくる女性月刊誌。読者のさまざまな興味・関心あるいは悩み・不安に寄り添い、ニュースという驚きと発見を伝え続けている週刊誌。
どちらも、いまの世の中や読者の変化に合わせて、あり方や届け方を柔軟に変え続けています。
今回は、読者への届け方のひとつである「デジタル」について、光文社の最前線にいる二人の対談をお届けします。

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雑誌とデジタルのいま、光文社とデジタルのいま

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雑誌とデジタルのいま、光文社とデジタルのいま

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雑誌とデジタルのいま、光文社とデジタルのいま

女性自身副編集長兼FLASH副編集長兼
Webマーケティング部副部長

松本 和也(仮名)Matsumoto Kazuya

2024年入社。同年より女性自身編集部副編集長兼FLASH編集部副編集長兼Webマーケティング部副部長

はじめに、現在担当している仕事の紹介をお願いいたします。

柴田

女性誌媒体のYouTubeのプロデューサーとして、各編集部と連携しながら、全体の統括を担当しています。具体的には、2025年の3月に「STORY」「VERY」、10月に「CLASSY.」のYouTubeチャンネルをローンチし、2026年には「美ST」のチャンネルも始めていきます。出版社もデジタルシフトを進めていく必要があり、その中でもWebやSNSなど選択肢は多くありますが、まずは動画でコンテンツをつくり、多くの人に見ていただくこと、収益を拡大していくことが仕事です。

松本

Webにて発信するニュースの収益を最大化していくことがおもな仕事です。コンテンツ自体の立案・内容の検討から、より多くの人に刺さり、さらにCTR*を高めるタイトルを編集部と一緒に考えています。また、編集者として記事をつくることもあります。「女性自身」「FLASH」の両方のデジタル関連を担当しているので、日中は常に打ち合わせをしている感じですが、それだけコミュニケーションを取りながら仕事を進めています。 ※閲覧数のうち、クリックされた回数の割合を指す「Click Through Rate」のこと

動画事業部部長

柴田 三緒Shibata Mio

2023年入社。Webメディア統括室兼VERY web編集室、
ブランディング室を経て2024年よりデジタルコンテンツ推進室、2025年8月より同室長。
2026年1月より、新設された動画事業部部長。

紙とデジタルを含め、雑誌についてのいまの状況を教えてください。

柴田

一般的に紙の雑誌は厳しいといわれますが、光文社の女性誌はまだまだ大きな影響力を持っています。ただ、世の中のデジタルシフトはこれからも進んでいくので、本誌だけでなくWebでもSNSでも、タイアップを取れるようになっていかなくてはいけないと考えています。いまもYouTubeでタイアップを発注いただいていますが、これからどんどん伸ばしていきたいと思っています。

そもそもYouTubeを立ち上げたのは、世の中の人が情報を取得する方法にあわせて情報を配信していく必要があるから。情報の取り方は目で見る人も耳で聴く人もいる中で、両方に対応できるところが動画のいいところ。通勤時間でも、料理をしているときでも、動画であれば情報を届けることができる。出版社の情報はすごく質が高いし、信頼できるところが強みです。それは経験豊富な編集者が集まっていることもそうだし、素晴らしいスタイリストやカメラマンなど、プロの力も借りることができるからこそ。その情報を伝えるものは、どんなプラットフォームであったとしても、時代にあわせればいいと思っています。デジタルの必要性と言いますが、重要なのは情報を届けるという出版社のミッションをやり遂げることだと思います。

松本

雑誌編集部が発信するコンテンツの力が弱まっているわけではないと思っています。そのコンテンツを「どこでマネタイズするか」すなわち「どのようにして、より多くの人に届けるか」という方法が、ことニュースにおいて、いまはWebが中心になってきています。ニュースは、紙よりもWebのほうが波及力が大きい。たとえば、SmartFLASHでは、2024年秋に政治家のスクープを報じた際には、関連記事をあわせると、延べ2000万ほどのユーザーに届きました。昔から週刊誌には、「世の中を変える記事を書きたい」という人が集まりますが、そのチャンスはWebと合わさったいま、より広がっているように感じます。紙にはターゲットとなる読者層がありますが、デジタルは年齢も性別も関係なく、多くの人に読んでもらいやすい特徴があります。

Yahoo!ニュースなど配信先のサイトでどうニュースが並ぶかは、書店でどう本が並ぶかと同じ。タイトルの頭に一番強い言葉を持ってきたり、サムネイルで目立たせたり。トップニュースに上がるということは、「売れているから平置きしよう」と書店の店員さんが思ってくださるのと同じなんです。紙でやるべきこととWebでやるべきことには共通点が多くあります。

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「デジタル」の雑誌コンテンツが持つ役割

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「デジタル」の雑誌コンテンツが持つ役割

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「デジタル」の雑誌コンテンツが持つ役割

それぞれの雑誌における、デジタルの持つ役割について教えてください。

柴田

検索されやすいキーワードをもとにWeb記事やYouTubeのコンテンツをつくると、必然的に流入は増えていきます。ただ、それに合わせすぎてしまうと、編集部がつくる意味やブランディングがまったくなくなってしまう。もちろん再生回数は増やしたいけれど、ブランディングを素敵と思ってもらったり、「例えば『VERY』が紹介している服がかわいい」と思ってもらったりということが、YouTubeチャンネルの役割になります。

競合を考えると、Netflixなど、コネクテッドTVのコンテンツも入ってくると思っています。いろんなアプリもあるし、YouTubeの中にもいろんなコンテンツがある。SNSであれば、たとえばInstagramではフォローしているものが自然に流れてくるから受動的だけれど、YouTubeは「これが見たい」という検索がスタートになる。なので、他のSNSとは作り方がすこし異なっていて、出版社だけれどテレビマンのようなことをやっているという新しさがあります。あくまでも先輩方が積み重ねてきてくださった雑誌のブランディングがあってこそですが、いまの取り組みはうまくいっているのかなと思っています。

松本

Webでは一本一本の記事がどれだけ多くの人に読まれたか、読者の反応が結果となってわかります。そして毎日記事を出すことができるので、編集者のチャレンジできる回数も格段に多い。独自のスタンスや勝ちパターンのようなものができやすく、それが編集者それぞれの特徴にもなっています。紙ではターゲット層に合わない企画にもチャレンジすることが、Webの役割になっています。

Webで配信する週刊誌のニュースで意識している読者層はありますか?

松本

週刊誌のニュースはYahoo!ニュースやLINEニュース、スマートニュースといった外部サイトにも配信するのですが、その配信先によって反応のいい記事というものが変わります。「大谷翔平さんの記事はこっちのほうが読んでもらえるな」と気づくこともある。配信先にどのような読者がついているか、ひとつひとつをきちんと見ています。

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「ブランディング」と「バズ」

各媒体で、「ブランディング」や「バズ」ということについてどのように意識しているか、もう少し詳しくお伺いしたいです。

柴田

YouTubeをやる以上、チャンネル登録者数・視聴回数・総視聴回数を伸ばさなければいけないということは、絶対的なミッションです。わたしのやり方としては、数値をいったん無視した、ブランディングを優先したものをアップすることと、「編集者のバッグの中身紹介」のような、YouTubeでバズりやすいフォーマットかつ光文社の雑誌ブランドにも落とし込めるようなものの本数を、バランスよく出しているつもりです。YouTubeは、動画を見ている人の8、9割がチャンネル登録者ではありません。いろんな人に検索して見てもらえるコンテンツもしっかりとつくる。そのうえで、「STORYのYouTubeチャンネル面白い!」と新規ユーザーに思ってもらえて、ファンになってもらえるように工夫をしています。

松本

週刊誌は、基本的には毎回バズらせることを狙っています。僕が思うバズのコツは、ギャップ。「あの有名人の知らない素顔」や「いま世の中的に見ていることが、実はこう」という驚きや発見がバズになると思います。世の中から求められるものを常にキャッチしつつ、PVをどう最大化するか。苦しいときもありますが、狙いが当たって数百万PVに届いたときにはある種の快感が走ります。

週刊誌のWeb記事で重視していることはなんですか。

松本

紙でも発信する記事は記者・カメラマンがいて、チームプレーで作っていきますが、Webでのみ配信する記事は少人数で動くことで、よりスピード感を重視しています。事件が起きたら現場に急行し、取材をして、その場で記事を書く人もいます。

いま、デジタル分野での仕事を進めていくにあたって、感じている課題感や難しいところはどんなところでしょうか。

柴田

YouTubeの動画事業をやっていますが、そもそも動画分野に関してのスキルや知見がある人たちが集まっているわけではありません。だから、光文社の中にスタートアップのベンチャー企業がある感じでメンバーが集まっているような難しさはあります。いまは制作会社さんと組んでやっているので、いろんな知見を学びながら必死に自分たちらしいものをつくっています。編集者の動き方や撮影方法も全然違うので、「情報を届ける」というところ自体に興味があることが必要だし、アウトプットの形に固執しないことが必要です。

松本

週刊誌のデジタル事業はこれまでニュースをWeb配信することをメインでやってきましたが、それだけではなく、新しい収益の柱を考えなければいけない状況になってきています。例えばマンガやタレントの写真集など、ニュース以外のコンテンツを作れる人も編集部に入ってきてほしい。週刊誌は“ごった煮”のメディアであることが一番の武器。いろんな仕事を手掛けるチャンスがあることが、いまの状況を打破することに繋がると思っています。

媒体としてデジタルの自由度を活かしつつも、やはりニュースを届けるということが週刊誌の中心であることに変わりはないですか?

松本

多くの人に読んでいただき、媒体に集まってもらうことがニュースの大事な役割であることに変わりません。今は個別のニュースで気になった人が読んでくれることが多い。次のステージとしては、もっと「Web女性自身」としてのブランディングを強めて、集まってくれた読者をさらに満足させる情報を提供したいと思っています。また個人的には、週刊誌の編集者としてニュースを書きながら、人脈を広げ、いままでの週刊誌の枠におさまらない新しいチャレンジをする。人の興味・関心を引くということを常にやっていきたいです。

柴田

女性誌は逆かもしれないですね。ブランディングというものが先に来るので、コンテンツを広げていくなら「VERY」や「STORY」「CLASSY.」が後ろ盾にいるということが大切になる。YouTubeからコンテンツが生まれたコラボや、「Sponsored by STORY」というような企画ものを増やしていくことが目標です。

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就活生の皆さまへのメッセージ

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就活生の皆さまへのメッセージ

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就活生の皆さまへのメッセージ

最後に、光文社で雑誌のデジタルの仕事に取り組むにはどういう人が向いているか、どういう人と一緒に働きたいかを教えてください。

柴田

デジタルというけれど、いまはデジタルだけではなく時勢にあわせて仕事をしなければいけない。いまはYouTubeをやっているけれど、明日違うSNSが出たらそれに移行するかもしれない。アルゴリズムが変わったら、それにも対応する必要がある。それくらい大きな変化が起こる可能性があるので、柔軟に対応できる人と一緒に働きたいと思っています。

松本

これまでやってきたことを、全部捨ててまた違うことを始めなければいけないことがけっこう多いです。それに対応できることが必要かなと思います。自分が正しいと思っていたことができなくなって、違う道を自分で探さなければいけないとなった時に、すんなり受け入れられる人。女性月刊誌も含めまだまだうちの会社はデジタルの発展中なので、のびのびとやれる人に来てほしいなと思います。

撮影/白倉利恵 構成/人事総務部 ※役職名や固有名詞は2026年2月時点のものになります