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勝間和代さん講演会 「『リスク・リテラシー』と『断る力』を身につけよう」

6月10日(水曜日)、東京駅近くの八重洲ブックセンター本店8階ギャラリーで、勝間和代さんの講演会が行なわれました。この講演会は『会社に人生を預けるな』(光文社新書)と『断る力』(文春新書)の刊行記念に行なわれたものです。
講演会には、大学生から仕事帰りのビジネスパーソンを中心に、100人以上の方たちに参加していただきました。立ったまま、身振り手振りを交えてプレゼンテーションしてくださった勝間さん。2冊の誕生の背景説明と、エッセンスを紹介してくれました。続いて、質疑応答のコーナーでは、大学生の方やお子さんをお持ちの主婦の方の質問に具体的に答えてくれました。構成は以下の通りです。

1.『会社に人生を預けるな』(光文社新書)について

1-1 本書の誕生の背景

  • 光文社新書の前作『お金は銀行に預けるな』の反応を見て、まだまだリスクというものが誤解されていると感じた
  • ワーク・ライフ・バランスについて執筆しようとしたが、「終身雇用」の問題を解決しなければならないと感じた

1-2 「リスク・リテラシー」の意味

  • リスクとは単なる危険ではない
  • 身の周りにあるリスクをどう予測し、計算するかという「リスク・リテラシー」について

【勝間さんのコメント】
※今回の新型インフルエンザへの日本人の対応(国に過剰に頼る姿勢)は、リスクというものが分かっていない人の典型的な反応。
※リスク管理を国や企業に預けている私たちは、自分は麻酔で眠り、国や企業に勝手に手術をしてもらっている状態。『会社に人生を預けるな』は麻酔から醒めるのに役立つ本。

1-3 終身雇用の疑問

  • 新卒一括採用の問題
  • ビジネスモデルの寿命は会社の寿命より短い
  • 終身雇用とワーク・ライフ・バランスは相性が悪い
    ※新卒の時に企業の本当の価値が認識できるとは思えない。人気企業は、すでにピークアウトしている企業。

1-4 お上に人生を預けるな

  • なぜ、官僚・政治家・経営者の意思決定はテキトーになるのか
  • なぜ、日本人は政治に興味がないのか

【勝間さんのコメント】
※基本的に、官僚や政治家は市民の生活について考えていないのが実情。実例として「最近の国立大学の授業料が高くなったこと」について、官僚にその理由を聞いてみたところ、その答えが「私立大学から文句が出たから」だった。このように市民についてまったく考えていない官僚たちがいる国で生きるには、自分の人生を上手にコントロールする技術が必要。

※「なぜ、政治家にならないか?」という質問をよく受けるが、政治家になってしまえば、このテキトーな意思決定をするシステムに入ってしまう。今の立場のほうが自分の環境を自分でコントロールできるし、自分の仕事は自分たちの意思が反映される社会をデザインしていくことだと思っている。

1-5 リスクは偏在する

  • 食品・仕事・金融、リスクはどこにでもある
  • リスクは避けるより上手に管理すべき

※日本人の多くが、雇用不安が日常的にあるのは嫌だから、終身雇用という形で自分の人生を企業に預けてしまったために、今の社会システムが出来上がってしまった。
リスク管理は筋力トレーニングと一緒。最初は小さなリスク管理から始め、自分の人生全体のリスク管理をしていくまで訓練していこう。
※「リスク・リテラシー・フリーダム」という言葉の意味は、リスク管理できるといろいと自由にできるということ。この『会社に人生を預けるな』を読むと、「リスク・リテラシー」を身につければ、自由になれる、人生が楽しくなるということが分かる。

2『断る力』(文春新書)について

2-1 誕生の背景

倉田真由美さんに「まったく同調志向がない」と言われたエピソード

2-2 「断る力」の意味

自分で主体性を持って生きること、時間の使い方

2-3 「断る力」の圧倒的効用を理解する

断ることの最大のバリアは何か

2-4 アサーティブな仕方

自分の気持や要求を伝えるときの態度

2-5 自分のゆるぎない軸をもつこと

自己評価に始まり自己評価に終る

2-6 相手への建設的な影響力を発揮する

空気を読んで、なお無視できるか

2-7 影響の和

「自分が影響を与える範囲の大きさ」と「人生の幸福」の関係

2-8 「断る力」で好環境を作る

互いに断れる関係の構築

2-9 あなたにも身につく「断る力」

自分がやりたくないことを書き出すなど、訓練の仕方

2-10 断ったことで嫌われるだろうか

逆の立場に立って考えてみる

2-11 「断る力」は劇薬である

メンツを潰すような断り方をしてはいけない

2-12 断る力」で新しいステージへ

社会へ「ノー」といえるようになる

3. 最後に

「リスク・リテラシー」と「断る力」を身につけて目指すのは、自分の頭でものを考え、自分で自分の人生を管理し、自分でリスクを管理すること。この二つの力を、自分の心で、自分の頭で、日常生活の中で管理し、身体感覚として身につけて、初めて色んなことができる。結果として、自分で人生をコントロールし、自分の時間を最大限に生かし、自分の能力を最大限発揮できたときに、初めて自分の人生が幸せだったと思える。どう幸福観を考え、どうやってみんなに役立つ人材になって感謝され、どうみんなの期待に応えられるのかが重要。そのために「リスク・リテラシー」と「断る力」が必要になる。

4.質疑応答

Q1 (質問者1)「政治や社会に対して何かを言いたい。そう思うようになったターニングポイントは?」
A1 (勝間) 「子どもを産んだことがターニングポイント。その時に保育園の問題など社会のさまざまな不都合を見て、『お上っておかしい』とつくづく思った」

Q2 (質問者2) 「子どもを持つ親として、時間をコントロールするためのアドバイスを。子どもへの声かけはどうしているのか?」
A2 (勝間)「なんでもいいから、子どもと共有できる時間をとにかく作ること。最近、雑誌『アエラ』の対談は日曜日になることが多く、子どもといられる時間がとれなくなってしまった。そのため、これからは、月水金土日の曜日で働き、火木の曜日は子どもと過ごせるようにしようと思っている」

Q3「今までの人生で、断って失敗したな、と思ったことはありますか?」
A3(勝間)「編集者にずっと執筆を勧められていたのに、ずっと断っていたことがある。やっと書いて、それなりに売れたが、その時は断っていて失敗したなとつくづく思った」

Q4 (質問者3)「新卒はどのようなことに注意して会社を選べばよいですか?」
A4 (勝間)「しっかりとした自前のビジネスモデルをもっている企業を見極めることです。今の事業がおかしくなっても、別の事業に移って企業として生き残っていけそうなところを見つけるといい。今、景気のいい企業ではなく、将来的にうまくいく仕組みをもっている企業なのか、という基準をもって考えてほしい」


【講演会の冒頭部分を動画でご覧いただけます】
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