ナイタカラス
2014年4月17日発売
定価:1,650円(税込み)
ISBN 978-4-334-92939-8
フィクション、文芸
判型:四六判ソフト
ないたカラス
いかさまの千里眼でも、救える悩みはある。
悪党になりきれないふたりが、一肌脱ぎます。
奉公に出されるのを嫌い、家を飛び出て十五年。二十八歳になった弥吉は久しぶりに江戸に戻ってきて、偶然幼馴染みの三太と再会する。お互いの実家は焼失し、帰る場所はどこにもない。ふたりは、無住の荒れ寺だった築案寺に住み着き、老け顔の三太が和尚、弥吉が寺男に扮した。さらに、築案寺の和尚は千里眼の使い手だと噂を撒き、相談に来た者から謝礼をせしめようと考える。弥吉には、それができる、ある「特技」があった──。