ヒマツリノミコ
2015年8月17日発売
定価:1,870円(税込み)
ISBN 978-4-334-91047-1
フィクション、文芸
判型:四六判ソフト
火祭りの巫女
『頼む、娘を、緋佐子を助けてやってくれ』
探偵・龍川鉄朗は親友の玖珂孝太郎に、危篤の病床で懇願された。『三辻村へ帰れば、おそるべき惨劇が起こる』
玖珂の生まれ故郷、生後すぐの緋佐子を連れ逃げ出してきた緋護・三辻村。緋佐子の母の死を真相を秘め、彼女の三つ子の姉妹の残る、山深き“ヒマツリ”の村。
『緋佐子が真実を知らなくてすむようにして欲しい』『探偵の俺に、真実を秘せよと?』『そうだ。あれは知らなくていい。緋佐子にとって、真実は残酷すぎる。暴かなくてもいい謎なのだ』
玖珂が必死に語る恐るべき言葉を錯乱と結論づけていた鉄朗は、自分の判断の誤りを知る。
緋佐子が消えたのだ。三辻村へ──。