ハナ ガイトウ ササツカン
2006年11月9日発売
定価:748円(税込み)
ISBN 978-4-334-75116-6
古典新訳文庫
判型:文庫判ソフト
鼻/外套/査察官
本当のゴーゴリは“噺家”だった。
笑いあふれる落語調の新訳3編
従来の深刻、生真面目な作家像を完全払拭。「とめどなく口をついて出る言葉や頭のなかに生起するイメージ」が炸裂する新訳。これぞ、ゴーゴリの真骨頂。
物語 幻想と妄想、虚言と哄笑
「正気の沙汰とは思えない奇妙きてれつな出来事、グロテスクな人物、爆発する哄笑、瑣末な細部への執拗なこだわりと幻想的ヴィジョンのごったまぜ」(解説より)。増殖する妄想と虚言の世界を新しい感覚で訳出した、ゴーゴリの代表作「鼻」、「外套」、「査察官」の3篇。
著者紹介
著者:ニコライ・ワシーリエヴィチ・ゴーゴリ [1809-1852]
ウクライナ出身のロシア作家。幻想と妄想に彩られた現実をグロテスクに描き出した。『死せる魂』『ネフスキー大通り』『肖像画』『狂人日記』の小説のほか、『結婚』などの戯曲がある。荒唐無稽、奇想天外、抱腹絶倒の物語を書いて、彼の右に出る作家はいない。ロシア作家随一の奇っ怪な想像力の持ち主。
訳者:浦雅春
1948年生まれ。東京大学教授。チェーホフを中心としたロシア文学、ロシア・アヴァンギャルド芸術の研究を手がける。著書『チェーホフ』のほか、『メイエルホリド・ベストセレクション』(共訳)、『牛山羊の星座』『チェゲムのサンドロおじさん』(イスカンデル)などの訳書がある。