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ムラカミハルキハノーベルショウヲトレルノカ?
2016年9月15日発売
定価:814円(税込み)
ISBN 978-4-334-03943-1
光文社新書
判型:新書判ソフト
村上春樹はノーベル賞をとれるのか?
私はこれまで村上春樹についての文章を多く書いてきた。書評や作品論、作家論などである。(中略)ただし、ノーベル文学賞との関係ということで、村上春樹について書いたことはなかった。それは文学の問題ではないと思っていたからだ。少なくとも本質的な問題ではない。そうした考えは今でも変わっていないが、文学賞、とりわけノーベル文学賞といったものが、日本の文学の世界に与えた影響といったものを、ここらで考えておいてもよいのではないかという気持ちが萌してきたのだ。
(「まえがき」より)
毎年世間をにぎわす、村上春樹とノーベル賞。村上文学は世界文学たり得るのか? 村上春樹でなかったとしたら誰が? ノーベル文学賞の功罪は? 村上春樹と同世代の著者が読み解く、世界文学の見果てぬ夢。
目次
まえがき
I ノーベル文学賞と日本人
一 私の見てきた村上春樹文学
二 ノーベル文学賞殺人事件
三 川端康成の受賞まで
四 大江健三郎とノーベル文学賞
五 翻弄される作家たち
II ノーベル文学賞とは何か
一 ノーベル文学賞の歴史
二 ノーベル文学賞・傾向と対策
三 受賞者の世界・非受賞者の世界
III 村上春樹は“第三の男"になれるか?
一 村上春樹とノーベル文学賞
二 村上文学は「世界文学」か?
三 村上春樹の受賞の可能性
あとがき
著者紹介
川村湊(かわむらみなと)
1951 年、北海道網走市生まれ。法政大学法学部を卒業ののち、韓国・東亜大学校助教授などを経て、法政大学国際文化学部教授。著書に、『川村湊自撰集(全5 巻)』(作品社)のほか、『君よ観るや南の島』(春秋社)、 『戦争の谺』(白水社)、『闇の摩多羅神』(河出書房新社)などがある。『補陀落』で伊藤整文学賞、『牛頭天王と蘇民将来伝説』で読売文学賞を受賞。日本文藝家協会、日本ペンクラブ、日本近代文学館理事を歴任。