ソウジトケイエイ
2016年5月19日発売
定価:858円(税込み)
ISBN 978-4-334-03919-6
光文社新書
判型:新書判ソフト
掃除と経営歴史と理論から「効用」を読み解く
「仕事といかに向き合うのか」――。経営学はこれまで主にこの問題に着目してきた学問といえる。反対にいえば、「仕事でないものといかに向き合うのか」についてはあまり考えてこなかったともいえる。
しかし、本来の仕事でないものにこそ、その企業や人間の本質が顕著に表れることが少なくない。同僚たち、あるいは上司や部下の机を見回してみると、彼らの本性や仕事ぶりが滲み出てはいないだろうか。
日本の名経営者たちが掃除や整理整頓を大事にしてきたのはなぜか。歴史、そして経営学の分野で2000年前後に起き始めた欧州発の新しい理論に着目し、組織における<目には見えないけれども大切なこと>を考察する。
目次
まえがき――たかが掃除、されど掃除
第一章 掃除の力
――ビジネスで大きな成功を収めるために不可欠なこと
第二章 トイレ掃除で宿る精神
――終わりなき差別化競争から脱却するためには
第三章 掃除で経営者に宿る精神
――日本の名経営者が気付いたこと
第四章 掃除の二つの効用
――掃除でより大きな効用を得るためには
第五章 自力と利他と他力
――掃除で組織の問題解決力を高めるには
第六章 習慣化のループ
――何事も継続できる会社にするためには
第七章 海外企業の掃除
――掃除が教えてくれる現代経営学の特徴と限界
第八章 スロー・マネジメント
――日本の会社が今こそ大切にしたい姿
あとがき
参考文献
著者紹介
大森信(おおもりしん)
1969年大阪府生まれ。日本大学経済学部教授。上智大学経済学部非常勤講師。2001年、神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(経営学)。東京国際大学商学部助教授などを経て現職。著書に『トイレ掃除の経営学』(白桃書房)、『そうじ資本主義』(日経BP社)、編著に『戦略は実践に従う』(同文舘出版)、共著に『新経営戦略論』(学文社)などがある。大阪商工会議所「掃除でおもてなし研究会」座長。