モシモ、シガアッタラ
2015年5月19日発売
定価:946円(税込み)
ISBN 978-4-334-03859-5
光文社新書
判型:新書判ソフト
もしも、詩があったら
「もしも」が果たす役割は大きい。
「もしも」をバネにして、イマジネーションは動き出す。
時代の流れをがらりと変えるのも、先見の明を持った「もしも」だ。
日常生活においても、「もしも」が、思考停止状態から解き放つカギになる。
もちろん、詩作りにおいても、「もしも」は絶対に欠かせない。
アメリカの詩人たちは、これまでどういった力強い「if」を発明したのか?
平安時代の歌人は、なんという巧妙な「もしも」を使って、「老い」から逃れようとしたのか?
どんな難問にでも耳を傾け、相談役になってくれる――そんな「もしも」の数々を、詩人のアーサー・ビナードが、選りすぐりの名詩を味わいながら紹介。言葉の魅力を存分に伝える、珠玉のエッセイ。
目次
はじめに――もしも、詩があったら
I 「もしも」と出会う
もしもマニフェスト
「もしも」のタワークレーン
おもてなしの「もしも」
「イフ」堂々
II 恋する「もしも」
なれ初めの「もしも」
もしも、モテたら
もしも愛しちゃったら、もしも会えなかったら
もしもマンゴー
III 世界を見つめる「もしも」
後出しの「もしも」
意地悪イフ
もしも「お金」が死語だったら
唯一の「もしも」、どちらもの「もしも」
IV 「もしも」と生きる
縁起でもない「もしも」
取り返しのつかない「もしも」
もしもごっこ
空飛ぶ「もしも」
間抜けが勝ち?――あとがきにかえて
著者紹介
アーサー・ビナード
1967年米国ミシガン州生まれ。高校時代から詩作を始め、ニューヨーク州コルゲート大学英米文学部を卒業。1990年に来日後、日本語での詩作を始める。2001年、第一詩集『釣り上げては』(思潮社)で中原中也賞受賞。『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、詩集『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞、『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。ほかに詩集『ゴミの日』(理論社)、翻訳詩集『ガラガラヘビの味』(共訳・岩波書店)、絵本に『くうきのかお』(福音館書店)、エッセイ集に『日々の非常口』(新潮文庫)、『空からきた魚』(集英社文庫)、英訳詩集に『ひとのあかし』(清流出版)など多数。2012年に広島文化賞を受賞。