シングルマザーノヒンコン
2014年11月13日発売
定価:902円(税込み)
ISBN 978-4-334-03827-4
光文社新書
判型:新書判ソフト
シングルマザーの貧困
今日の社会では、あらゆる側面で自由競争が標榜される一方、実質的に女性が一人で子どもを産み育てる自由は乏しい。それは、この国の女性が今なお「産む自由」を本当の意味では手にしていないことの証左ではないのか。 (「はじめに」より)
現代日本の社会制度は、戦後の高度経済成長期に普及した「標準家族」像によって設計されており、そこから外れてしまったものたちには険しい壁が待ち構えている。「家族」から抜け出し「シングルマザー」となった6人の実例から、ここに凝縮される日本の社会保障制度、雇用慣行、家庭生活それぞれの抱えている問題をあぶりだす。
目次
はじめに
第1章 シングルマザーの貧困問題
第2章 離婚貧国・日本 ―― 豊かな国の貧しい社会政策
第3章 近代家族の矛盾
第4章 シングルマザーの「時間貧困」
第5章 選択的未婚の母
第6章 根強い日本の文化規範
おわりに
著者紹介
水無田気流(みなしたきりう)
1970年神奈川県相模原市生まれ。詩人、社会学者。早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。立教大学社会学部兼任講師。2013年から朝日新聞書評委員をつとめる。 著書に『平成幸福論ノート』(田中理恵子名)『黒山もこもこ、抜けたら荒野』(以上、光文社新書)、『無頼化した女たち』(亜紀書房)、共著に『女子会2.0』(NHK出版)などがある。詩集『音速平和』(思潮社)で中原中也賞、『Z境』(思潮社)で晩翠賞を受賞。