オロカモノ、チュウゴクヲユク
2008年5月16日発売
定価:968円(税込み)
ISBN 978-4-334-03453-5
光文社新書
判型:新書判ソフト
愚か者、中国をゆく
中国に関する報道や批評などを目にした時に外部の人間がイメージする中国という国と、人民の実生活には大きな隔たりがある、というのが、20年近く、なんとなく中国と関わり続けてきた私の実感だ。それらを「情報」と呼ぶなら、情報によって喚起されるイメージを鵜呑みにすると中国はどんどん見えなくなるぞ、という一種の警戒感のようなものは、たびたび中国を旅行していたこの時期に培ったと思っている。(「はじめに」より)
交換留学生として香港に渡った著者は、1987年、アメリカの友人、マイケルと中国旅行に出る。中国社会が大きな転換期を迎えたこの時期に、何を感じ、何を見たのか。「大国」の本質を鋭くとらえた貴重な記録。
目次
はじめに 餃子とJAPANと四人組
第一章 香港
第二章 広州
第三章 西安から蘭州へ
第四章 嘉峪関まで
第五章 シルクロード
第六章 ウイグル
第七章 旅の終わり
第八章 それから
おわりに 時代遅れの地図
著者紹介
星野博美(ほしのひろみ)
1966年東京都生まれ。会社勤務、写真家・橋口譲二氏のアシスタントを経てフリーに。香港返還前後の2年間、香港で暮らした体験を書いた『転がる香港に苔は生えない』で第32回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。その他の著書に『謝々! チャイニーズ』『銭湯の女神』『のりたまと煙突』『迷子の自由』『対話の教室』(橋口譲二共著)、写真集に『華南体感』『ホンコンフラワー』がある。