キョウケントフアンノチョウタイコク・ロシア
2008年2月15日発売
定価:946円(税込み)
ISBN 978-4-334-03439-9
光文社新書
判型:新書判ソフト
強権と不安の超大国・ロシア旧ソ連諸国から見た「光と影」
「日本人気」と「オイル・マネー」。でも……
どこまで信用できるのか?
旧ソ連新興独立国での多くの実体験をもとに
ロシアの“KGB的体質”をあぶり出す。
光が強ければ強いほど、その影は濃くなるものだ。世界一の産油国となり、経済発展著しいロシアを「表の顔」とすれば、「裏の顔」は謎に包まれた部分が多い。暗殺事件・チェチェン紛争・独裁体制……。これらはたしかに深い闇だ。しかし、旧ソ連新興独立諸国を数多く訪れ、体当たりで調査・研究してきた著者は、翻弄される側の国ぐにからロシアを覗いてみることによって、その“KGB的体質”を明るみに出していく――。
一方で今、「日本ブーム」が旧ソ連地域で盛んだ。外交においても、ビジネスにおいても、かの国ぐにとの関係が深まる今日、本書は日本人が直視しておくべき「現実」である。
目次
プロローグ――旧ソ連からロシアが見える
1章 反ロシア精神、旧ソ連ノスタルジーの噴出
2章 「未承認国家」という名の火薬庫――ロシアと旧ソ連の係争地
3章 ロシアのKGB的体質
4章 知られざる親日国家群
5章 日本はロシア、旧ソ連諸国とどうつきあうべきか
エピローグ 強いロシアとプーチンのゆくえ
参考資料集
著者紹介
廣瀬陽子(ひろせようこ)
1972年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科准教授。専門は国際政治・コーカサス地域研究。慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、博士課程単位取得退学。政策・メディア博士(慶應義塾大学)。国連大学秋野記念研究フェローとしてアゼルバイジャン在外研究、慶應義塾大学総合政策学部講師などを経て現職。著書に『旧ソ連地域と紛争――石油・民族・テロをめぐる地政学』(慶應義塾大学出版会、2005年)、共編著に『コーカサスを知るための60章』(明石書店、2006年)。