マルクスダッタラコウカンガエル
2004年12月14日発売
定価:792円(税込み)
ISBN 978-4-334-03281-4
光文社新書
判型:新書判ソフト
マルクスだったらこう考える
民族、宗教、家族、二極化、戦争……
19世紀の「あの人」が解く21世紀の超難問
本書は現在の諸問題について、マルクスならどう考えるかということを、彼の理論に従って、かつそれを現代の諸理論で読み替えながら分析することに焦点を当てています。もちろんマルクスが生まれ変わることなどありえませんから、あくまでマルクス研究者である私を通して分析するしかないといえます。
その意味で本書での私のささやかな試みは、マルクスのことば――「生きた労働」と「死んだ労働」――を借りていえば、次のようにいえるかもしれません。
「過去の死せる労働は、生きた現在の人々の労働によってはじめて現実の意味を持つのだ」と。(序章より抜粋)
◎資本主義が世界を覆い、崩壊しつつある今
マルクスは古くなったのでなく、今やっとマルクスが「読める」時代になったのかもしれません。とはいえ現在、マルクスの時代にはなかったさまざまな問題が存在します。昔のままの形で、マルクスが理論を展開することはないと思います。
それでも、基本的なモチーフである、資本主義社会はやがて行きづまる、搾取すべき労働を外部に求められなくなれば崩壊せざるをえない、という視点はまちがってはいません。それを誰が崩壊させるか、新しい社会とはどんな社会であるか、などといった問題を、新たに展開せざるをえないでしょう。(序章より一部抜粋)
目次
序章 マルクス、二一世紀の東京に現わる
第1章 「二一世紀型」マルクス主義とは?
第2章 世界についてどう考える?
第3章 民族や宗教についてどう考える?
第4章 「他者」についてどう考える?
第5章 労働者についてどう考える?
あとがき
新しいマルクスを知るための参考文献